坂口/村上組、初優勝。石島/白鳥組、有終の美。「マイナビジャパンビーチバレーボールツアー2019 ファイナル グランフロント大阪大会」

坂口/村上組、初優勝。石島/白鳥組、有終の美。
「マイナビジャパンビーチバレーボールツアー2019 ファイナル グランフロント大阪大会」

ビーチバレーボールの頂点を決める戦いとなる「マイナビジャパンビーチバレーボールツアー2019 ファイナル グランフロント大阪大会」が10月13日(土)、大阪府大阪市北区・グランフロント大阪内のうめきた広場と都島区・毛馬桜之宮公園内大阪ふれあいの水辺の2会場で開催された。

台風19号接近の影響で当初予定されていた2日間開催は中止となり、1日開催によるシングルエルミネーション方式へと変更。台風が過ぎ去り、穏やかな秋晴れの中、朝9時から男女1回戦、準決勝、決勝が行われた。

大阪駅とグランフロント大阪を結ぶ「うめきた広場」で行われるビーチバレーボール大会は、今年で6回目(2014年~)。昨年は、2日間2会場で観客動員数およそ27,800人を記録。今回も1日で13,600人を記録し、「駅前ビーチ」は最大のプロモーションの場として年々観客動員数を増やしている。


6回目を迎えたグランフロント大阪大会

女子は1回戦で二見梓(東レエンジニアリング)/長谷川暁子(NTTコムウェア)組、西堀健実(トヨタ自動車)/草野歩(パソナ)組ら有力チームが姿を消した。続く準決勝でもファイナル4連覇を目指す石井美樹(荒井商事/湘南ベルマーレ)/村上めぐみ(オーイング)組が、鈴木千代(クロス・ヘッド)/坂口由里香(オーイング)組にフルセット1-2(16-21/21-11/13-15)で敗れる波乱が起きた。

石井/村上組が国内戦で敗れたのは、2017年ジャパンツアー都城大会の決勝戦以来、およそ2年ぶり。石井は「相手の調子がよかったのもあるけれど、自分たちの負けの原因が毎回同じに感じる。修正できずにそのままの流れで同じことを繰り返していると思った試合だった」と課題を述べた。村上も「勝とうとした時の判断が、今は結果的に失点につながっている。今持っている力でも、それを出す時の考え方や想いを変えていきチームで共有できれば、必ずいい流れがくると思う」と前を向いた。


初出場で決勝に進出した坂口(由)

一方、大金星をあげた鈴木/坂口組。2年前、膝の大けがを負いリハビリ中に試合を見学していたという坂口は、今回初のファイナル出場で決勝の大舞台まで勝ち上がった。

「この大会がオーイングの一員として最後の大会だった。どうしても勝ちたいという想いと冷静さをプレーに出せた」と坂口。オーイングの先輩として自分を育ててくれた村上めぐみに『勝利』というカタチで恩を返した。

朝9時から始まった第1試合から徐々に観客数が増え、ピークを迎えた決勝戦。大金星を手に決勝戦へ駒を進めた鈴木/坂口組をグランフロント大阪で迎え撃ったのは、シード1の坂口佳穗(マイナビ/KBSC)/村上礼華(ダイキアクシス)組だった。

試合は序盤から坂口のブロックや強打など思い切りのいいプレーが光り、坂口/村上組が主導権を握る。また「サーブだけは誰にも負けない気持ちで練習してきた」と言う村上の切れ味鋭いサーブが、鈴木/坂口組のスピーディーなコンビバレーを封じ込める。終盤、危ない場面も見られたが、坂口/村上組は28-26と接戦を取り切った。

第2セットも坂口/村上組の勢いは止まらなかった。「シーズン後半戦はフルセットで勝ち切れない試合が多かったが、攻めのミスはいい、と2人で話し合って勝ちまでもっていけた」と坂口。この試合では、強気のプレーが光り、第2セットも鈴木/坂口組を大きく引き離し、21-14と決着をつけた。


強豪を倒して優勝をつかんだ坂口/村上組

坂口/村上組はシーズン前半戦、トップチーム不在でのランキングトップ。トップチームが出てきたシーズン後半戦で本領を発揮したいところだったが、松山、都城、名古屋大会ではフルセット負けが続いた。あと1歩のところで勝利を逃がしてきたが、今大会は日本代表の西堀/草野組、決勝戦ではこれまで勝ったことのない鈴木/坂口組に次々と勝利し、真の女王として表彰台に上がった。

女子優勝チームコメント
坂口佳穗
「この舞台で優勝するのは目標のひとつだった。1戦目の西堀/草野組に対しては対策を立てて臨んだ。最後の最後に勝ちまで持って行けたことは自分たちの成長を実感することができた」

村上礼華
「練習だけはどこよりもしていると思うので、それを信じて挑めたのがよかった。雰囲気が悪くなった場面もあったけれど、佳穗さんが『このミスはいいよ』っていってくれるので守りに入らず攻めることができた」


男子決勝戦

男子は、前回の第7戦名古屋大会決勝戦と同じ、石島雄介(トヨタ自動車)/白鳥勝浩(トヨタ自動車)組と髙橋巧(ANAセールス)/長谷川徳海(愛媛県競技力向上対策本部)組の対戦となった。
前回は白鳥が「自分がサーブで狙われ、完膚なきまでに叩かれた」と振り返るように、石島/白鳥組は国内戦初の土をつけられ、ストレート負けを喫している。

すでにランキングトップで総合優勝を決めているだけであって、このファイナルでは王者の意地を見せたいところ。序盤は気合十分で挑んだ石島/白鳥組が優勢。白鳥のサーブポイント、石島のブロックと徐々にプレッシャーをかけ始め、髙橋の攻撃ミスを誘うなど17-14と流れを引き寄せていく。


2連覇を果たした石島

その後も第1セット21-19と石島/白鳥組が先取、第2セット序盤も6-2と力を見せつける。どことなく余裕を見せる石島/白鳥組は、強打だけではなく、コートの隅々まで利用したディープショットを使い、長谷川/髙橋組に攻撃の的を絞らせない。
第2セット終盤も石島のブロックが決まり、白鳥のサーブが髙橋のサーブレシーブを吹き飛ばし、21-15と勝負を制した。

石島/白鳥組は通算5勝。石島は個人2連覇、白鳥は2017年以来の2回目のファイナル制覇となった。

男子優勝チームコメント
白鳥勝浩
「昨年ファイナルには出場していないので、個人では出られてよかったと思う。前回の決勝戦では負けたが、その分、伸びしろがあるととらえた。スタッフも含めていい準備をすることができたのも勝因のひとつだと思う」

石島雄介
「今シーズンは白鳥さんとペアを組んで、最初は相手はどうこうという段階までいっていなかった。受け身にならないで常にアグレッシブにやっていくことが課題。今回も自分のミスがあったので、パフォーマンスとしてはまだ満足していない」


表彰式

第1戦からファイナルまでのマイナビポイント合計の男女上位2チームに贈呈される「マイナビワールドチャレンジ賞」は、石島/白鳥組、西村晃一(東京ヴェルディWINDS)/柴田大助(東京ヴェルディWINDS)組、坂口/村上組、坂本実優(フリー)/沢目繭(新興和製薬/湘南ベルマーレ)組が受賞した。

この大会をもって「マイナビジャパンビーチバレーボールツアー2019」の日程がすべて終了。10月下旬以降は、「ジャパンビーチバレーボールツアー2019」の「サテライト」や「アンダーエイジ」の大会が各地で開催される(大会概要)。

結果詳細