マイナビジャパンビーチバレーボールツアー2021 ファイナル 大阪大会展望

マイナビジャパンビーチバレーボールツアー2021 ファイナル 大阪大会展望

 日本最高峰のツアーである「マイナビジャパンビーチバレーボールツアー2021」(以下・マイナビジャパンツアー)はついに10月16日(土)、17日(日)、今シーズンのファイナルを迎える。2021年5月から始まった今年度のマイナビジャパンツアーは、今大会が総決算の場となる。

※新型コロナウイルス感染防止対策のため延期となった沖縄大会はファイナル後の11月27・28日で開催が決まり、ポイントは来季のツアーには持ち越さない。

 ファイナルの舞台となるのは、大阪市都島区の毛馬桜之宮公園内大阪ふれあいの水辺。JR大阪駅から電車で5分、桜ノ宮駅から徒歩3分という関西が誇る都市型ビーチコートだ。2013年に大川の水辺に創設されたコートは、これまでもトップツアーの会場としても活用されてきた。2年ぶりの開催となるファイナル 大阪大会。ここでどんな戦いが繰り広げられるのだろうか。

 

 第6戦 松山大会では、長谷川暁子(NTTコムウェア)/坂口由里香(大樹グループ)組と橋本涼加(トヨタ自動車)/村上礼華(ダイキアクシス)組が決勝へ進出。第4戦 名古屋大会の決勝戦の再現となり、長谷川/坂口組が今季2勝目を飾っている。

 

高い守備力を発揮する坂口(由)

 東京オリンピック以降、すべての大会で優勝者が入れ替わる混戦ぶりを見せていた女子の勢力図だが、長谷川/坂口組は一歩抜け出しファイナル 大阪大会へ弾みをつけたと言っていいだろう。「松山の決勝は今季のベストゲームだった。『気持ちは熱く、頭は冷静に』というテーマをコートで体現できた」と勝因を語っていた長谷川と坂口。平塚、松山という海辺での戦いを制した2人にとって、今回の舞台となる川辺のコートでも強さを発揮できるのかに注目したい。

 

落ち着いたプレーをみせる長谷川

 第4戦 名古屋大会で初優勝した橋本/村上組は、第5戦 都城大会 第22回ビーチバレー霧島酒造オープンこそ、準々決勝で敗退したものの、第6戦 松山大会では再び決勝へ這い上がってきた。ペアを組んだときからファイナル 大阪大会で優勝することを目標に掲げてきたという2人にも注目だ。

 

 

ファイナル 大阪大会での優勝を目標にしてきたという橋本/村上組

 橋本は「チームでよく話し合って、試合の出だしから勢いをつけていくことを目標にしていたが、松山大会ではなかなかそれができなかった。決勝戦も相手に先行されてしまったことが課題として残った。名古屋はまだまだ発展途上での優勝だと思っている。大阪で優勝して、ずっと勝ち続けるチームになりたい」と前向きに語っている。

 

 

 男子は、第6戦 松山大会で5戦中4回目の決勝進出を果たした石島雄介(トヨタ自動車)/白鳥勝浩(トヨタ自動車)組が王座を奪回。第2戦 平塚大会 ガラナ・アンタルチカ杯の決勝で対戦した長谷川徳海(愛媛県競技力向上対策本部)/土屋宝士(恵比寿丸)組にフルセットゲームへ持ち込まれたが、4勝目を飾った。改めて強さを見せつけた戦いとなったが、それでも石島はファイナル 大阪大会に向け、「周りから王者と言われるけど、自分はそういう意識はない。毎試合、課題があり、相手に対してどう戦っていくか。その気持ちがなくなったら、都城大会のような結果になる。1試合1試合トライするだけ」と気を引き締めている。

 

「1試合1試合トライするだけ」と語る石島

 一方、松山大会で今季3度目の決勝進出を果たした長谷川/土屋組も、最終戦でのリベンジをねらっている。決勝で対戦した白鳥が「第2戦のときは結成したばかりだったが、今大会はチームが完成されつつありとても勢いがあった」と印象を述べ、ライバル視を強めている。

 

巧さをみせる白鳥

 王者を追いつめながら金星を逃した長谷川は、「決勝戦ではサーブの種類を多く仕掛けることができたし、ラリーも取ることができていた。ブレイクの質は上がっているが、途中から風が止んだことで相手を楽にプレーさせてしまった」と敗因を分析している。

 ファイナル 大阪大会では、風と、風を生かした戦略が勝負の行方を握る展開となるかもしれない。

 

今シーズン初タイトルを狙う長谷川/土屋組

 全国各地、さまざまな環境で転戦してきた「マイナビジャパンツアー」。これまでの戦いで上位進出をキープしてきたチームが今大会もその位置を断固として譲らないのか。それとも下剋上が起きるのか。ファイナル 大阪大会は、16日朝9時に幕が上がる。