徳島が初優勝。「2023マドンナカップin伊予市」

徳島が初優勝。「2023マドンナカップin伊予市」

 高校女子日本一を決める「2023マドンナカップin伊予市ビーチバレーボールジャパン女子ジュニア選手権大会」は8月10日(木)から13日(日)の4日間、愛媛県伊予市の五色姫海浜公園ビーチバレーコートで開催された。

 今年度のマドンナカップには、北は北海道から南は九州、沖縄まで全国46都道府県から48チームが集まり、日本ジュニアの女王の座を争った。

 

 13日の大会最終日に残ったのは、奇しくも昨年の経験と、悔しさを胸に秘めたチームばかりとなった。そのベスト4は、鳥取県・米子西高の中野咲(3年)/藤田玲亜(3年)組、徳島県・鳴門渦潮高の松岡梨亜来(3年)/鏡瀬里奈(3年)組、地元である愛媛県・松山東雲高の受川侑加(2年)/上本奈菜子(2年)組、大分県・大分西高の浅井和佳(3年)/神田詩歩(3年)組。

 

 鳥取の中野/藤田組、愛媛の受川/上本組、大分の浅井/神田組の3チームは、昨年もマドンナカップに出場したものの、1勝もできずに予選で敗退している。しかし今年は3チームとも様相が変わり、中野/藤田組は準々決勝で優勝候補と目されていた東京・共栄学園高のペアを接戦のうえ、破り準決勝へ進出。受川/上本組は地元の声援をバックに、愛媛県勢としては20年ぶりのベスト4に残った。浅井/神田組も大分県勢とはしては、初の4強の座を掴んでいる。

鳥取県代表 中野/藤田組

 

昨年初出場ながらも善戦し3位となった徳島の松岡/鏡組が準決勝で激戦の末、中野/藤田組を2-0(21-16、22-20)で破り、決勝へ進出。昨年の壁を越えた。決勝の相手は、受川/上本組を2-0(21-16、21-15)で下した浅井/神田組となった。

徳島vs愛媛 愛媛は20年ぶりベスト4へ進出した

 

 決勝戦、第1セットは序盤から松岡/鏡組がリードする。松岡の重いサーブ、強打を軸に松岡/鏡組が試合の主導権を握った。対する浅井/神田組は、軟打で相手のリズムを崩していきたいところだが、サーブで押され、思うようにゲームを運べない。

松岡/鏡組が12-9でテクニカルタイムアウトを迎えると、そこからじわじわと差が開き始めた。ディフェンス力の高い鏡が、サーブで狙われても、確実にサイドを切っていった。相手に流れを渡さず、浅井/神田組はやりたいプレーをするきっかけさえ掴めなかった。第1セットは21-16で松岡/鏡組が奪取した。

 

第2セットは一方的な展開になった。「ブロックにつくのがうまくいかなかった。なかなか練習できなかった部分が出てしまった」と浅井は話す。「型にはまらない自分たちのプレーをしたかったけど、思うようにさせてもらえなかった」と神田も言う。

 

 5-2と松岡/鏡組のリードで、松岡のブロックが決まると勢いに乗った。浅井/神田組はイージーミスも増え、差は一気に開いていった。21-9で第2セットも取り、ゲームセット。松岡/鏡組が昨年の雪辱を果たし、徳島県勢としては初めてマドンナカップを制覇した。

笑顔でハイタッチする 松岡/鏡

 

 松岡/鏡組は、両選手ともオーバーハンドトスを使い、ネットから多少離れたボールも打っていく技術を身につけ、昨年とは見違えるような成長を遂げた。さらにトスでのツーアタックや、ワン返し、足でのレシーブを試みるなど試合巧者ぶりも見せつけた。

「インドアの練習がない時は、ずっとビーチにいました。大学生など強いチームと練習試合をしてもらって経験を積みました」と鏡は言う。「決勝トーナメントは強いチームがかたまったブロックに入ってしまい、準決勝の第2セットなどはきつかったですが、気持ちで勝ちました」と松岡は話す。

 

 昨年のような初々しさがいい意味でなくなり、落ち着いたプレーが光った松岡と鏡。今後の目標を「国体でも優勝して二冠達成!」と間髪を入れずに答え、1年間の練習の成果を優勝という形で昇華させた自信が垣間見えた。

 

 大会優秀選手には、松岡、鏡、浅井、神田、受川、上本、中野、藤田、森愛唯(東京・共栄学園高)、島田結花(茨城・明秀学園日立高)の10選手が選ばれた。

 

大会優秀選手 左から中野/藤田、松岡/鏡、浅井/神田、受川/上本、島田、

 

優勝の徳島県代表 左から松岡/鏡

 

準優勝の大分県代表 左から浅井/神田

 

3位の愛媛県代表 左から受川/上本

 

3位の鳥取県代表 左から中野/藤田