男子は石島/髙橋組が2大会連続、女子は長谷川/坂口組が3大会連続優勝。マイナビジャパンツアー第4戦横浜赤レンガ倉庫大会最終日

男子は石島/髙橋組が2大会連続、女子は長谷川/坂口組が3大会連続優勝。マイナビジャパンツアー第4戦横浜赤レンガ倉庫大会最終日

マイナビジャパンビーチバレーボールツアー第4戦横浜赤レンガ倉庫大会の3日目・最終日。初日、2日目に続き晴天&少し動けばすぐに汗がしたたり落ちる暑さの中、男女の決勝戦と3位決定戦が行われた。

男子決勝戦は、石島雄介(トヨタ自動車株式会社)/髙橋巧(ANAあきんど株式会社)組と黒川魁/福嶋晃介(ともにNTTコムウェア株式会社)組が対戦。第3戦渋谷大会に続き連勝を狙う経験、実力を兼ね備えた石島/髙橋組に対し、ペア結成2シーズン目だがポテンシャルの高い黒川/福嶋組がどんな戦いを挑むのかがポイントだった。

        好ゲームが期待された石島/髙橋×黒川/福嶋の男子決勝戦

福嶋の打点の高いアタックが決まり始まった試合は、石島のブロック、黒川のサービスエースなどお互い随所で好プレーを見せつつも、ほぼ差が付くことはなく7-7まで進む。しかしここから抜け出したのが石島/髙橋組。高橋のナイスディグからの石島の強烈ツーといったアクロバティックなプレーで勢いに乗ると、髙橋の技ありブロックアウトなども決まり14-10とリードを広げていく。その後も、髙橋が「ディフェンスでは準備を早くして、相手がコールを聞いて打ってきているのかどうかを感じ取りながらディフェンスの位置を微妙に変えました」という駆け引きで相手の得点を抑えつつ、攻めては空中で体をひねって打つコースを変える石島のアタック、髙橋のレシーブからの躍動感あふれるスパイクで点を重ねた石島/髙橋組が第1セットを20-17で先取する。

       一つひとつのプレーの精度の高さで相手を上回った石島/髙橋組

第2セット、ここでも第1セット同様5-5までは接戦となるが、試合後に福嶋が「長いラリーになると相手の方がフィニッシュ力が上でした」と振り返ったように、4~5回ラリーが続く展開では石島/高橋組が取るという粘り強さを見せる。また、「パスを含めたプレーに関して相手の方が精度が高かった」と黒川が言うように、2人の間を狙いすました髙橋のサービスエース、石島のタイミングをずらしたブロックなどで加点した石島/高橋組が12-7と差を広げていく。それでも、「スパイクの打点を上げて早く打つことをテーマにしています」と言う黒川の相手のブロックを弾く強烈スパイク、「自分の良さが出せたところはありました」という福嶋の躍動感あるジャンプからのアタックで対抗した黒川/福嶋組だが、最後は石島がラインにスパイクを打ち込んでゲームセット。

第3戦に続き優勝した石島/髙橋組は、お互いのことを「ここまで、自分らしさを出していただけるのは髙橋選手だけ。唯一無二の存在です」(石島)、「インドアとビーチのどちらでもオリンピックを経験している、ほかにはいないすごい選手。そうした実績があるのに、言ったことをどんどんトライしてくれる頼もしい選手」(髙橋)とリスペクトしつつ戦っている。だからこそ2人がペアを組むと1+1=2以上の力を発揮するのだろう。

       第2戦に続く優勝を喜ぶ石島/髙橋組

女子決勝は、長谷川暁子(NTTコムウェア株式会社)/坂口由里香(トーヨーメタル株式会社)×橋本涼加(トヨタ自動車株式会社)/村上礼華(株式会社ダイキアクシス)というカードに。今季は初対戦だが、昨季は3度対戦し長谷川/坂口組が全勝。お互い手の内を知っているだけに、表面上は淡々とサイドアウトが続いているように見えても、その裏では自チームに流れを引き込むべく駆け引きが行われていた。

        長谷川/坂口組×橋本/村上組の女子決勝戦

試合は、第1セットは11-11、第2セットは17-17までどちらに転ぶか分からない接戦となったが、2セットともに制したのは長谷川/坂口組。試合後、「仕掛けたことはうまくいっていたのですが、第1セットは中盤、第2セットは終盤で拾ったところからのミスが出てしまいました」(橋本)、「昨年よりディフェンスで上げられることは多くなったと思いますが、最後に決め切れなかったのが差になったと思います」(村上)とコメントした橋本/村上組に対し、「駆け引きでハマったところから点数を連取することができました。風を使ったプレーがうまくいったのも良かったと思います」(長谷川)、「先に仕掛けることができました。高さで勝てないぶん、横の動きや機動力、風を使った作戦で対応しました」(坂口)と長谷川/坂口組。

        勝負所でギアを上げる方法を知っている長谷川/坂口組

これで長谷川/坂口組は、第2戦平塚大会、第3戦渋谷大会に続き、マイナビジャパンツアー3連勝。第1戦立川立飛大会は決勝で敗れているが、改めてその強さを見せ付ける形となった。一方、敗れたとはいえ橋本/村上組も「新しいことにチャレンジしていて、それが試合の中で形になってきているところもあります」と希望も見出している。今後も、この両チームの対戦からは目が離せない。

        橋本/村上組の今後の逆襲にも期待

男子の3位決定戦の対戦カードは、庄司憲右(ハウスコム株式会社)/池田隼平(株式会社カブト)組×長谷川徳海/倉坂正人組。両チームは第1戦立川立飛大会の準々決勝でも対戦しており、そのときはセットカウント2-0で長谷川/倉坂組が勝利。長谷川/倉坂組はその勢いのまま大会を制し優勝している。

試合は、序盤に2本連続でモンスターブロックを決めた長谷川のプレーで流れを掴んだ長谷川/倉坂組が5-2とリードしたが、庄司/池田組も庄司のブロックアウトやブロックの上を山なりでラインに落とす技ありアタックなどで盛り返し12-9と逆転に成功する。その後は接戦となり19-19で迎えた終盤、池田のスパイクで庄司/池田組がセットポイントを握ると、最後は長谷川のスパイクがネットとなり、庄司/池田組が第1セットを先取する。

続く第2セットは長谷が川/倉坂組にミスが続いたこともあり、8-3と庄司/池田組が大きくリード。その後は、お互いにサイドアウトを取り合う展開となり、ほぼ点差が縮まらないまま20-15となり、最後は庄司のスパイクが決まって庄司/池田組が勝利。第1戦立川立飛大会のリベンジを果たすとともに、2人とも横浜在住の庄司/池田組が地元での3位入賞で大会を締めくくった。

        庄司/池田組は第2戦平塚大会に続く3位入賞

女子3位決定戦は、酒井春海(株式会社甲斐組)/樫原美陽(一つ山ホールディングス株式会社)組×坂本実優(株式会社キュービック・スポット)/沢目繭(ミライラボバイオサイエンス株式会社)組が対戦。第1戦立川立飛大会の優勝チーム坂本/沢目組に対し、同じように機動力を武器とする酒井/樫原組がどう対抗するかが見ものだったが、第1セットで主導権を握ったのは坂本/沢目組。沢目のパンチ力のあるスパイク、沢目のドロップショットと硬軟をうまく織り交ぜた組み立てでこのセットを21-12で奪う。

第2セット、坂本/沢目組の多彩な攻撃に対し、酒井/樫原組は樫原の好レシーブ、酒井の意表を突いたツーなどで食らい付き、中盤までは接戦に。しかし、冷静にオープンスペースにコントロールする坂本のショット、叩きつけるような角度ある沢目のアタックで18-13と抜け出した坂本/沢目組が、最後はサービスエースを決めて勝利した。

       プレーの精度、読みのうまさといった試合巧者ぶりを見せた坂本/沢目組