追われる立場、追う立場。「マイナビワールドチャレンジ賞」への想い。

追われる立場、追う立場。「マイナビワールドチャレンジ賞」への想い。

「都市型開催において多くの人に競技の魅力を知ってもらいたい」。そのコンセプトのもと、年々進化を遂げている「マイナビジャパンビーチバレーボールツアー2023 第2戦平塚大会ガラナ・アンタルチカ杯」は5月12日(金)から14日(日)、神奈川県平塚市湘南ベルマーレひらつかビーチパークで開催された。

 

 開幕戦の晴天とはうって変わり、あいにくの雨に見舞われた第2戦。コンディションが様変わりしたように、勝利を手にしたチームたちも男女ともに大きく入れ替わりを見せた。

男子は髙橋巧(ANAあきんど)/上場雄也(松戸レガロ)組、女子は長谷川暁子(NTTコムウェア)/坂口由里香(トーヨーメタル)組、開幕戦で準優勝だったチームが前回大会の悔しさを晴らし、初優勝を飾った。

この結果を受けて、両チームは合計2160ポイントを保持し、「マイナビワールドチャレンジ賞・前半期」暫定1位に躍り出た。

▲女子暫定1位の長谷川/坂口組

 昨季は4勝をあげ、今季も2大会連続決勝進出。まさに『女王』の風格が漂う長谷川/坂口組だが、「私たちは海外ではチャレンジャーだけど、国内では追われる立場。決して女王だなんて思っていないけれど、どのチームも研究してきて私たちを必死に倒しにきているなと感じています。そういった状況で勝てたことは、チームの成長に間違いなくつながりました」と、大会を振り返った。

 

 男子優勝の髙橋/上場組も、2大会連続決勝進出を果たしたことで暫定1位の座へ。「第19回杭州アジア競技大会(2022年から延期)の出場権を獲得したが、第3戦以降はこのペアでのエントリーは未定となっている。

 

4年ぶりにマイナビジャパンツアーの舞台に戻ってきた上場は、「もともと開幕戦と第2戦のエントリーのみで第3戦以降はしばらく仕事を優先しようと思っていました。けれども、今回アジア競技大会の日本代表に選出されましたので、中盤戦以降も仕事を調整して出られるときは出ていきたい。応援してくださる皆さん、待っていてください」と今後に向けメッセージを送った。

▲高いパフォーマンスを発揮した上場

 ベテランの活躍もさることながら、今大会も次世代の元気のいいプレーも光った。今季初のベスト4入りを果たしたのは、山田紗也香(トヨタ自動車)だ。山田はトヨタ自動車に入社して1年目はマイナビジャパンツアーへの出場機会に恵まれなかったが、2年目の今季は同所属の西堀とペアを結成。熟練未を増す西堀に支えられ、山田が思い切りのいいプレーを繰り出し、社会人になって初の表彰台へ上がった。

山田は「昨季出られなかった分、ツアーに出られることが本当にうれしい。最後に勝ちきれないと言われてきたけど、今大会でそれを払拭できた」と胸を張った。

▲思い切りのいいプレーを見せた山田

今年は、マイナビワールドチャレンジ賞受賞も現実味を帯びてきた。「自分にとってマイナビワールドチャレンジ賞は、若手でも世界に羽ばたいていいんだよ、と背中を押してもらっている賞。挑戦しやすい環境を作っていただけているので、賞を獲ることが目標のひとつですし、上の選手にしっかり勝って早い段階でタイトルを獲得することが大事だと思っています」と気合いを込めた。

 

 追われる立場、追う立場。それぞれの熱い想いが激突し、ハイレベルな戦いを繰り広げる「マイナビジャパンツアー2023」。第3戦の開幕が待ち遠しい。