男子優勝・髙橋/上場組、女子優勝・長谷川/坂口組 マイナビジャパンツアー第2戦平塚大会ガラナ・アンタルチカ杯3日目

男子優勝・髙橋/上場組、女子優勝・長谷川/坂口組 マイナビジャパンツアー第2戦平塚大会ガラナ・アンタルチカ杯3日目

雨の予報もあったが、第1試合が始まる10時には薄日が差す天候となったマイナビジャパンビーチバレーボールツアー2023 第2戦 平塚大会 ガラナ・アンタルチカ杯の最終日。この日は、メインコートで男女の決勝戦、そして3位決定戦が行われた。

男子決勝戦のカードは、髙橋巧(ANAあきんど株式会社)/上場雄也(松戸レガロ)組×古田史郎(DOTs)/黒川寛輝ディラン(しながわビーチバレーボールクラブ)組。両チームは1日目のプール戦でも対戦しており、そのときは髙橋/上場組がストレートで勝利しているが、今回も第1セットを先取したのは髙橋/上場組。セットしたボールが流されているのがハッキリ分かるくらい強い風が吹く中、ミスの少ないプレーをベースに、上場がサウスポーから放つ強烈なサーブやスパイク、髙橋の巧みなショットや相手のアタックコースを読んだレシーブで着実に加点した。

  ステディかつ大胆なプレーを展開した髙橋/上場組

第2セット、古田/黒川組も古田のブロック、黒川のキレのあるスパイクで応戦。特に、同じサウスポーの黒川のプレーには上場も刺激されたようで、「予選でもディランがツーで打ってきたので僕もツーでやり返したらアウトになったりなど、エンターテインメント性もあったと思います」(上場)と、二人の打ち合いは見応え十分だった。それでも、このセットでも主導権を握ったのは髙橋/上場組。「このペアは相性がいい、とみんなに言われていますが、自分たちでもそう思います」(上場)、「仕事を持っている上場さん(上場はストレッチ系のトレーナーをしつつ、バレーボールスクールでも教えている)とは一緒に練習する時間がほとんどないのですが、以前組んでいたのでイメージはあります。あとはそれがプレーに出せるかどうかで、今日はそればバチッと決まりました」(髙橋)と、第2セットも奪った髙橋/上場組が栄冠獲得。今大会の男子は、第19回杭州アジア競技大会日本代表決定戦も兼ねていたことから、2人が出場権を獲得。高橋にとっては2回目、上場にとっては3回目のビーチでのアジア大会出場となる。

   自らも「相性がいい」と認める髙橋/上場組

   惜しくも決勝戦で敗れた古田/黒川組だが試合を重ねるたび着実に強さを増している

女子決勝戦を戦ったのは、長谷川暁子(NTTコムウェア株式会社)/坂口由里香(トーヨーメタル株式会社)組×松本恋/松本穏組。第1セットは長谷川のブロック、坂口のスピードを生かしたレシーブなどで流れを引き寄せた長谷川/坂口組が21‐15で先取したが、接戦となった第2セットを奪い返したのは松本姉妹。18‐18から恋のサービスエースで抜け出すと、最後も恋がブロックを弾くスパイクを打ち込んで勝負を第3セットに持ち込んだ。

   第1セットは長谷川/坂口組が先取

   第2セットを奪い返した松本姉妹

迎えた最終セット、両者譲らず、点差が開かないまま12‐12と終盤まで進んだが、この緊迫の場面で長谷川が値千金のサービスエースを奪って一歩リードすると、最後は長谷川がスパイクを叩き込み15‐13で長谷川/坂口組が優勝。「受けに回らないように意識しました。立川立飛大会では後手に回って負けてしまったので、気持ちの部分で先手を意識しました」(長谷川)、「立川立飛大会後は、何が良くて何をもっと伸ばしたほうがいいのかを話して、今日も試合中に二人でしっかりコミュニケーションをとることができました。優勝を意識するのではなく、一つ一つのプレーを自分たちらしくやるということにフォーカスできました」(坂口)と、第1戦の決勝戦で負けたことを修正しての栄冠獲得。

昨シーズンはマイナビジャパンツアー4大会に出て全勝し、海外ツアーの経験も豊富なことから勝って当たり前と思われている長谷川/坂口組だが、「毎回ちゃんと準備して臨んでいて、ぎりぎりで勝った試合もあります。みんなが研究してくるので、追われる立場のつらさもあります」と、女王として見られていることのプレッシャーを吐露した長谷川。しかし、その上で栄冠を獲得したことで、長谷川/坂口組は平塚大会3連覇。この強さこそが、女王の証でもある。

   長谷川/坂口組は平塚大会ガラナ・アンタルチカ杯3連覇

男子3位決定戦は、庄司憲右(ハウスコム株式会社)/池田隼平(株式会社カブト)組と関寛之(MAGS)/詫間悠(中部土木株式会社)組が対戦。試合は高さ、そして海外ツアーを回っている経験でも上回る庄司/池田組がストレートで勝利したが、第1シードが付きながら3位に終わった結果に「この大会はアジア大会の選考会も兼ねていたので、優勝してアジア大会で勝つということを目標に動いていたので、出場権を獲得できずに悔しいです」と庄司。それでも「悪天候にも関わらず、応援のためたくさんの方に来ていただき、その方たちに少しでもハッピーを届けられるように3位決定戦を戦いました」(庄司)、「昨日までと違い、今日はいいプレーができたと思います」(池田)と、今後につながるプレーを見せて大会を締めくくった。

  男子3位は庄司/池田組

一方、敗れたとはいえ、第1戦立川立飛大会に続き4位に入った関/詫間組は、関175㎝、詫間178㎝というサイズを考えると大健闘で、今大会でも決勝トーナメント2回戦で石島雄介(トヨタ自動車株式会社)/西村晃一(WINDS)を破るなどして3位決定戦に進んできた。「二人で話し合ってツーをしたり、パスを丁寧にしたり、詫間がよく動いてくれてワンで返したり、ブレイクが良かったのでサイドアウトが手詰まりしてもいけるところがありました」(関)という手応えを感じつつも、「立川立飛大会と同じく準決勝で勝ち切れず、3位決定戦でも負けて…。今後さらに上の順位になるには、体力面と勝負所での精度が大切になってくると思います」(詫間)と課題にも向き合っている。それでも「サイズがなくても勝つためにはどうすればいいかをイメージしていることはたくさんあります。でも、それが実現できていないんですよね」(詫間)と言う関/詫間組は、今後の大会でも観客を沸かせるプレーを見せてくれるに違いない。

  第1戦に続き2大会連続で4位に入った関/詫間組

女子3位決定戦は、坂本実優(株式会社キュービック・スポット)/沢目繭(ミライラボバイオサイエンス株式会社)組と山田紗也香/西堀健実(トヨタ自動車株式会社)組が対戦。第1セットを21‐16と先取したのは坂本/沢目組だったが、続く第2セット、ここではパンチ力のある山田のスパイク、西堀の2連続サービスエースなどで流れをつかんだ山田/西堀組が21‐18で奪い返す。

そして迎えた最終セット、風の流れを利用したサーブを打つことで9‐4と抜け出したのは山田/西堀組。その後も山田のパンチ力のあるスパイク、西堀のスペースに落とすショットなどで加点した山田/西堀組が坂本/沢目組を振り切って15‐11で勝利した。この2ペアは第1戦立川立飛大会のプール戦でも対戦し、そのときは坂本/沢目組が勝利しているが、今回は山田/西堀組がリベンジした形に。「技術面と言うよりは、自分たちがどれだけ楽しんでやれるかということに集中して挑みました。それが勝ちにつながったと思います」(山田)、「紗也香ちゃんはとにかく明るくプレーする、私はしっかりプレーする、ということがまっとうできれば、良い展開になると思っていました」(西堀)と、目の前の1ポイントに集中した結果、呼び込んだ勝利となった。

   最終セットまでもつれる激戦となった女子3位決定戦

こうして男子優勝・髙橋/上場組、女子優勝・長谷川/坂口組の優勝で幕を閉じたマイナビジャパンツアー第2戦平塚大会ガラナ・アンタルチカ杯。第3戦渋谷大会は6月3日(土)~4日(日)に、渋谷区立宮下公園で行われる。