越川 優。近道も飛び級もない中でひとつひとつ結果を出していきたい

越川 優。
近道も飛び級もない中で
ひとつひとつ結果を出していきたい

4月14、15日に開催された『ジャパンビーチバレーボールツアー2018 第1戦 沖縄大会』では、開幕戦を飾り、初優勝に輝いた越川優(横浜メディカルグループ)。鮮烈なデビューシーズンを経て、今年早々にはペアを解散。新たなパートナーと新たな道を進み始めた越川の視線の先にあるものとは──。


新パートナー・西村晃一と好スタートを切った

──昨年のデビューシーズンで得た収穫は?
越川 『ビーチバレーボール』という世界を知れたことですね。まだ隅から隅までは知ったとは思っていないけれど、国内トップの『ジャパンビーチバレーボールツアー』の平塚大会、都城大会、ファイナル大会、アジアツアー2大会、ワールドツアー4大会を経験させてもらいました。自分はこの世界で生きていかないといけない、このレベルで結果を残していかないといけない、とわかったシーズンでした。

──昨シーズン途中から長谷川(徳海)選手とペアを組んでいましたが、今年に入ってペアを解散した理由は?
越川 今シーズンに関しても、一緒にやっていこうとスタートしたのですが、強くなるための方法を考えた時に、お互い大切にしていきたいことに相違がありました。僕はインドア時代から軸にしている「人と同じことをしていたら勝てない」ということ、長谷川は長谷川なりの考えがありました。2人の目標は同じだけれど、軸が2つあるとずれてしまうので、違う道を進むことになりました。自分は、他の代表メンバーと比べて、経験も技術力もありません。ゆくゆくはオリンピック出場を争うことになる他の選手たちと同じことをしていたら、勝てない。そういった自分の意志を強化委員会にリクエストして認めてもらったうえで、代表チームとは別でアメリカに行こうと思いました。

──2月から単身でアメリカに渡り、自らが選んだコーチの指導を受けたんですね。
越川 自分は、他の代表メンバーと比べて、経験も技術力もないので、もっと『個』の力を伸ばさないと、誰とペアを組んでもチーム力は大きくならないと思っています。逆に言えば、パートナーよりも、自分がうまくなれば、チーム力は大きくなる。自分が納得した強化の方法を突き進んでいくことが結果につながると思いましたし、たとえ結果がどちらに転んでも、自分が選んだ道だから納得できると思いました。


2シーズン目で初優勝を飾った越川

──今シーズンは、西村(晃一)選手とペアを組むことになり、ブロッカーに専念されるようですね。
越川 長谷川とペアを組んでいた時も、僕のワンブロックでやっていた時期もあったので、とまどいはないですね。今の自分の技術力、経験値を考えると、どちらかに絞らないといけない。ブロック、ディグを両方やるとなれば、両方練習しなければいけないので、時間が必要になってきますから。

──転向して2シーズン目となる今年の抱負をお願いします。
越川 日本で『1番』になること。日本最強のチームになることです。継続して勝ち続けることは、来シーズンに向けて必要ですね。それを実行するための技術、経験値はまだまだ足りないところがあるので、日々やっていくしかないです。国内を見たら、白鳥勝浩/上場雄也組は経験値では断トツですし、畑辺純希/村上斉組もペアを組んで長い。高橋巧/石島雄介組は伸び率が高い。ライバルがたくさんいる中で、国内大会でひとつひとつ結果を出して、海外の試合も確実にポイントをとっていきたい。近道も飛び級もできない中で、結果を出すために必要なものは何なのか、を意識してやっていくことが今シーズンのテーマになると思います。