4季目を迎える村上/石井組が優勝。変化を求め続ける女王の挑戦。

4季目を迎える村上/石井組が優勝。
変化を求め続ける女王の挑戦。

開幕戦を制した女王・村上/石井組

ビーチバレーボールの国内最高峰ツアーである「ジャパンビーチバレーボールツアー2018 第1戦 沖縄大会」最終日が4月15日(日)、沖縄県中頭郡西原町の西原きらきらビーチで開催された。
朝からあいにくの曇り空で時々小雨がぱらつく天気となったが、強い雨に見舞われることなく、朝9時から男女準々決勝、準決勝、決勝が行われた。
決勝戦は、東京オリンピック予選がスタートする2018シーズンの国内開幕戦とあって、メインコートは緊迫感に包まれた。

女子決勝に進出したのは、村上めぐみ(オーイング)/石井美樹(湘南ベルマーレ)組と溝江明香(トヨタ自動車)/橋本涼加(トヨタ自動車)組。
両チームともにオフシーズンは海外遠征を積み、とくに溝江/橋本組は3ヵ月間、アメリカでブラジル人コーチに指導を受けてきた。

このブラジル人コーチは、かつてシドニーオリンピックで高橋有紀子/佐伯美香組を4位に導いたコーチのアントニオ・レオン氏。「徹底的に基礎技術を反復練習してきて、底力が上がったと思う。昨シーズン課題だったフィジカルもタフになった」(溝江)と、長期合宿の成果をお披露目する機会となった。

その溝江/橋本組は第1セット序盤、一昨年、昨年のファイナル大会を制した女王・村上/石井組に対し、ディフェンスが機能。橋本が高さのあるブロック、溝江がコートを縦横無尽に走り回り、一進一退の展開に持ちこむ。
しかし、「1セット目の中盤15点目から、パス、トスが少しズレてしまい、攻撃を打ち切れなかった。精度が足りなかった」と溝江。溝江/橋本組の甘くなった攻撃を村上/石井組は見逃さない。ブレイクチャンスを確実に決めていき、18-15とリードを奪うと、溝江/橋本組のミスも手伝い、21-15と村上/石井組が第1セットを制した。

第2セット序盤は、第1セットの消沈した雰囲気を払拭するように溝江が強烈なスパイクが決めていく。9-5とリードを奪うが、ここで引き離されないのが、女王の真骨頂。
石井のブロックから得点を積み重ねると14-12と逆転に成功。徐々に溝江/橋本組の勢いを封じ込め、21-19とストレートで勝利し、開幕戦を飾った。

決勝戦後、お互いのプレーをたたえ合う両チーム
決勝戦後、お互いのプレーをたたえ合う両チーム

変化を求め続けていく

ペアを結成して4シーズン目。決して調子がよくない中でも、優勝という二文字を勝ち取ってきったのが村上/石井組の強さだ。この日もチームの武器であるサーブが走らず、本調子ではなかった。村上は言う。
「今シーズンからボールが変わったことで、インパクトに手ごたえがなく、まだ慣れていない状態。それでもどうしたら効果を出せるか、狙い所を考えることに集中した」
エースポイントこそ少なかったが、セット終盤にかけてブレイクからの攻撃をモノにし、苦しい場面を乗り切った。

日本代表として、国内女王の座に座り続けてきた村上/石井組の今シーズンの目標。それはワールドツアーでベスト8入り、国内ではファイナル大会の連覇だという。
しかし、それが並大抵のことではないことは、村上も石井も理解している。

「ペアを組んで4シーズン目なので、もう私たちのことは知り尽くされていますよね(笑)。だからそれを覆す何かがないといけない。変化していかないといけないんです。プレーではパス、トスの緻密さが攻撃の精度に関わってくるし、メンタル面ではいかに冷静にプレーできるか。どうしても試合中に感情が沸くこともあるので、プレーに集中することがより大事になってくる」(村上)。

今シーズンの女王の戦いは、さらなる進化を遂げるのだろうか。

村上/石井組はファイナル大会3連覇なるか
村上/石井組はファイナル大会3連覇なるか