初代王者に沖縄と東京が輝く。「いきいき茨城ゆめ国体」最終日。

初代王者に沖縄と東京が輝く。
「いきいき茨城ゆめ国体」最終日。

47都道府県の高校生が集結した「いきいき茨城ゆめ国体」が9月13日(金)から16日(日)、茨城県東茨城郡大洗町の大洗サンビーチで開催された。
1997年から公開競技、デモンストレーション競技として9回開催されてきたビーチバレーボール競技は、2017年愛媛国体から正式競技となった。さらに2019年茨城国体から少年種目へと移行し、史上初の47都道府県が参戦した。

4日間の日程で予選グループ戦(各3チーム)から上位2チームが決勝トーナメントへ進出。3日目は真夏の暑さが戻り、最終日はあいにくの大雨、強風と厳しい天候に見舞われる戦いを制したのは、男子の沖縄と女子の東京。記念すべき初代王者に輝いた。


攻守において安定した力を発揮した沖縄

男子のベスト4は、ジュニア選手権とは打って変わる結果が待っていた。ジュニア選手権に続いてベスト4に残ったのは茨城1チームのみ、沖縄、島根、愛知が最終日まで勝ち残った。
なかでも島根は、決勝トーナメントで京都、埼玉、福岡、そして茨城と次々に強豪を破り、今大会ダークホースとなり決勝進出を果たした。

もう一方のトーナメントでは、ジュニア選手権の県大会で負けはしたものの、飛び抜けたバレーセンスを評価され選抜された西原高率いる沖縄が、快進撃を巻き起こした。
準決勝では「リードしているのに嫌な所を攻められ、勝っている気がしなかった」(池城浩太朗)という好調の愛知を振り切り、決勝戦へ駒を進めた。


ダークホースとなった島根

沖縄と島根の決勝戦。「今大会はずっとサーブがよかった。自分たちはレシーブが得意なのでブレイクから得点できたのも大きかった」と池城。守備だけではなく、強風をものともしないパンチ力のあるサーブ、強打は決勝でも止まらない。島根に2-0のストレート勝利し栄冠をつかんだ。

女子はマドンナカップで優勝を遂げた東京が、この茨城国体でも存在感を見せつけて勝ち進む。一方のトーナメントでは、マドンナカップベスト4入りを果たした鳥取を京都が下し、決勝進出を決めた。


笑顔でプレーしていた東京

決勝は東京と京都の顔合わせ。マドンナカップでは準々決勝で対戦し東京が制している。京都は今大会、福知山成美高の中島瑠那と京都橘高の中野康羽と選抜チームで参戦。「高校生の大会ではまだ一度も負けたことがない」(菊地真結)という女王に再び挑んだが、東京は最後まで付け入る隙を与えなかった。

「風が強かったので、トスを低くしてボールがぶれないように攻撃を仕掛けていった」と衣笠乃愛。相手の守備体系を把握し、絶妙なボールコントロールでコートの空いているところに落としていく。また、「高校生相手に負けるのは想像がつかない。楽しくプレーできればいいなと思ってやっている」と菊地が振り返るように、終始笑顔を絶やさない。余裕の表情でマドンナカップに続いて2冠目を手にした。


決勝進出を果たした京都

優勝チーム・選手コメント
沖縄・池城浩太朗(西原高)
「インドアよりもレシーブが難しかったけれど、足を動かすボールへのくらいつきは通じるものがある。足の動かし方はインドアでも活かせると思います。初の全国大会だったのでレベルがわからなかったけれど、やっていくうちに慣れてきて、どうやって戦えば自分たちでリズムが作れるかわかってきました」

沖縄・仲村英治(西原高)
「日本一を狙っていたので、優勝できてホッとしています。ビーチバレーボールはコートを2人で守らない苦しさもあるけれど、それは相手も同じ。そこを乗り越えることが楽しさだと思います。この気持ちを忘れずにインドアでもまたこの気持ちを味わえるようにがんばりたいです」

東京・菊地真結(共栄学園高)
「日本一になるのは2回目なので、やっと本当に日本一になれたんだな、と感じました。6人制よりも得点が決まるとうれしい。風が強くて他のチームよりもトスを低くして仕掛けたのがよかったと思います」

東京・衣笠乃愛(共栄学園高)
「6人制だとクイックをやっているのでビーチでも仕掛けていき、それが効果的だったと思います。6人制だと人に任せてしまう部分もあるけれど、2人なら自分でやらなきゃいけない。そこがビーチバレーボールの面白いところだと思います」

結果詳細