共栄学園高、14年ぶりの日本一。「2019マドンナカップin伊予市」最終日。

共栄学園高、14年ぶりの日本一。
「2019マドンナカップin伊予市」最終日。

8月8日から11日の4日間、「ビーチバレージャパン女子ジュニア選手権大会」が、五色姫海浜公園ビーチバレーコート(愛媛県伊予市)で行われた。高校女子チャンピオンを決める大会も23回を数えて、年々参加人数、校数も増え規模が大きくなってきた。

本年度から国民体育大会(茨城県・9月開催)のビーチバレーボール競技が少年男女(18歳以下)の種別で争われることになった。それにより多くの地域で強化が始まり、秋田県など、これまでマドンナカップに未参加だった都道府県からもチームがやって来た。大分県を除く46都道府県の参加は過去最多、49チームのエントリーとなった。

各県で強化が始まったことで、マドンナカップの勢力図も変化している。過去5度マドンナカップを持ち帰り、今年高校として3連覇がかかっていた古豪、淡路三原高(兵庫)は県予選で敗退。強豪校の多い関西、関東だけでなく様々な地域からも勢いのあるチームが出てきた。

今年は本命不在と言われていたが、やはり実力のあるチームが中心となり大会は進む。昨年の準優勝ペア、野口彩陽(3年)/福田鈴菜(3年)組(神奈川・横浜隼人高)は、「国体の神奈川県予選では負けてしまい、最近の調子は良くなかった」(野口)と話しながらも、落ち着いたプレーで一つ一つトーナメントを上がっていった。


2年連続決勝進出を果たした野口/福田組

衣笠乃愛(3年)/菊地真結(3年)組(東京・共栄学園)もその1つ。衣笠は3年連続のマドンナカップ出場で、昨年は大会優秀有望選手にも選ばれた。今年のインドアバレーボールのインターハイでは、菊地とともにチームを準優勝に導いている。2人は基本的なスキルの高さと思い切りのいいプレーで、準々決勝ではこちらも強豪、福知山成美高(京都)の中島瑠那(3年)/江原あかり(2年)組をストレートで一蹴。優勝候補の筆頭に名乗り出た。

準決勝のカードは野口/福田組と小南楓香(3年)/森本祐菜(3年)組(兵庫・神戸常盤女子高)の対戦、衣笠/菊池組と矢田貝紫織(2年)/山本奈都美(3年)組(鳥取・米子西高)の対戦となった。

小南/森本組は粘り強いプレーと、ショットを多用し、空いているエリアにボールを落としていく本来のビーチバレーで、野口/福田組を翻弄した。フルセットまで持ち込み、何度もデュースを重ね、あと一歩まで昨年の準優勝チームを追い込んだが敗れた。

米子西も毎年のようにマドンナカップにチームを送り込んでくる高校。矢田貝/山本組は衣笠/菊地組の前に敗れたものの、着実に実績を積み上げてきた結果となった。


関東対決となった決勝戦

決勝に進んだのは野口/福田組と衣笠/菊池組。バレーボールの基本技術が高く、強打を打てるチーム同士の対戦となった。
野口/福田組は昨年より確実にスキルアップをしており、特に野口のスパイクは威力を増している。衣笠/菊地組も強打で点が取れ、速攻気味のコンビプレーも時折見せてくる。

野口/福田組は、準々決勝、準決勝とフルセットまでもつれ込む厳しい試合を続けており、多少動きに精彩を欠いたものの攻守とも粘り強さを見せた。ただ試合の主導権は衣笠/菊地組が握る。「大会が進むにつれてレベルが上がるので、1点1点を取るのがどんどん楽しくなった」(菊池)と常に笑顔を絶やさないプレーと衣笠のキレのいいスパイクで、第1セットは21-17で取る。
第2セットもスコアは拮抗しながらも地力の高さを見せ21-19で取り、セットカウント2−0で優勝。高校としては2005年以来14年ぶりの日本一に輝いた。

3度目の正直となった衣笠は「優勝を狙っていたのでとてもうれしい。3年目でようやくリベンジできた。今年はこれまでとは気合いが違った」と笑顔。菊地は「2月から練習してきた成果が出てうれしい。国体もあるのでがんばりたい」と話した。

2年連続準優勝となった福田は「今年も2位で悔しいけど、自分たちのできる精一杯のプレーはできたので満足している」と言い、野口は「なかなか練習時間が取れなかったが、2人は中学時代から一緒にプレーしているので息は合っている。短い時間の中でもうまくレベルアップしてプレーできたと思う」と話した。

なお、大会優秀有望選手には、衣笠、菊地、野口、福田、山本、森本、小倉愛菜(静岡・袋井商)、小松かんな(茨城・日立第二高)の8選手が選ばれた。


笑顔の入賞チームと有望選手たち

結果詳細