大学生ペアが初の4強入り。「第33回ビーチバレージャパン」2日目。

大学生ペアが初の4強入り。
「第33回ビーチバレージャパン」2日目。

日本一の栄冠をかけて争われる「第33回ビーチバレージャパン」が神奈川県藤沢市・湘南鵠沼海岸で開幕。2日目の8月11日(日・祝)は男子1回戦から準々決勝、女子準々決勝が行われ、男女のベスト4が顔を並べた。猛暑の中、タフな試合が続いた。とりわけ男子は、1日で最大3試合。最後の準々決勝は文字通りの消耗戦となった。

熾烈な戦いを乗り越えて勝ち上がったのが永井雄太/中山貴洋(東京)組だ。吉田英樹/和田信二(愛知)組との準々決勝は第1セットこそ失ったものの、続く第2セットは優勢に試合を進めた。卓越したテクニックを持つ永井が、中山の良さを引き出した。吉田/和田組を揺さぶり、このセットを21−16で奪取。
明暗を分けたのは第3セットの終盤。和田が熱中症の症状を見せ、試合が一時中断した。コートに戻ってきたが満身創痍だった。動かない足を引きずって、最後までコートに立ち続けた。勝ったのは永井/中山組。スコアこそ15−9だったが、内容は紙一重だった。


4強入りを決めた中山/永井組の攻撃

躍進を遂げたのが、3日前の「ビーチバレーボールジャパン・カレッジ2019」で準優勝を果たした伊藤遼河/黒川寛輝ディラン(国士舘大学)組だ。今大会はワールドツアーに参戦する多くのチームが出場辞退。そのため、シード3での出場となった。
1回戦、2回戦をストレートで勝ち、迎えた準々決勝はベテランの島袋康隆/井上真弥(大阪)組と対戦した。

第1セットは流れをつかめず18−21で失った。続く第2セットは相手に9点しか与えず完勝。これで勢いに乗った。一人の選手にサーブを集めて体力を奪い取った。必然的に強打がなくなった。ラインショットに的を絞って、ボールをつないだ。
あとは確実にサイドアウトを切っていくだけだった。

しかし、相手も試合巧者だ。最後までもつれた。13−14と先にマッチポイントを奪われた。粘り強く得点を重ねて15−14と逆転に成功。ここで島袋が足をつった。伊藤/黒川組に油断はなかった。ラリーに持ち込み、相手のショットがエンドラインを割った。16−14。喜びを爆発させた。

大学生同士のペアがベスト4入りするのは初めての快挙。「今大会は推薦チームがいないということで、学生がシード3に入るというあまりない経験をさせていただきました。上位の人たちに一つずつ勝っていこうという話をして、試合に臨みました」と伊藤。黒川も「1日3試合というのはなかなかありません。その中できっちり勝ち切れたことは大きいし、プレーの中から学ぶことも多かった。(伊藤)遼河さんと組むのはこれが最後なので、特別な大会になると思う。必死に楽しみながらやっていきたい」と意気込みを話した。


学生同士のペアで初の4強入りの快挙となった伊藤/黒川組

推薦チームとして出場した石島雄介(トヨタ自動車)/白鳥勝浩(トヨタ自動車)組は圧巻の勝ち上がり。1回戦は21−5、21−12と快勝。松本大翼/田端久貴(鳥取)組との2回戦も、21−15、21−15と相手を寄せ付けなかった。準々決勝は序盤にリードを許したものの、2−4から6連続得点で逆転。石島がネット際で強さを発揮し、白鳥が要所で強打を叩き込んだ。ストレートで二宮大和/吉原俊介(神奈川)組を下し、ベスト4に名乗りを上げ
た。
また、梅野涼/小森優希(長崎)組が4強入り。1回戦は相手のペアが棄権。狩野僚太/原田真緒(宮城)組との2回戦、宮本健司/谷野泰弘(石川)組との準々決勝をストレートで勝ち上がった。

女子はシード1の西堀健実/草野歩組が松山紘子/畑恵組をストレートで下して4強入り。攻守にわたって安定した強さを見せた。その西堀/草野組と準決勝で対戦するのが南谷綾華/山田寿子組だ。田中姿子/松村美由紀組との準々決勝を21−15、21−17で競り勝った。また、ベテランの浦田景子/幅口絵里香組は巧みな試合運びで宮川紗麻亜/新井晴夏組との接戦をものにした。準決勝は、鵠沼海岸をホームビーチにする本村嘉菜/酒井春海組と対戦する。

メインコートで行われる最終日は9時30分、女子準決勝からスタート。果たして日本一に輝くのはどのチームか。目の離せない試合が続く。