ツアー最終戦を有終の美で飾ったのは男子・石島/髙橋組、女子・柴/丸山組!マイナビジャパンツアー第10戦須磨大会3日目

ツアー最終戦を有終の美で飾ったのは男子・石島/髙橋組、女子・柴/丸山組!マイナビジャパンツアー第10戦須磨大会3日目

試合開始9時の時点で20度だった気温は、その後グングン上昇。昼過ぎには25度という夏日を記録したマイナビジャパンツアー第10戦須磨大会の最終日・3日目。11月とは思えない陽気はビーチバレーにはうってつけで、準決勝、3位決定戦、決勝戦を戦った選手たちもマイナビジャパンツアー2023の締めくくりにふさわしいパフォーマンスを披露した。

男子決勝戦は、石島雄介(トヨタ自動車株式会社)/髙橋巧(ANAあきんど株式会社)組×庄司憲右(ハウスコム株式会社)/池田隼平(株式会社カブト)組が対戦。両チームがマイナビジャパンツアーで対戦するのは今季6度目(決勝戦としては4度目)で、対戦成績は石島/髙橋組の全勝。庄司/池田組にとっては優勝を阻まれてきた最大のライバル相手に、最終戦でリベンジしたいところだった。

              今季4度目の決勝戦となった石島/髙橋組×庄司/池田組(左が庄司/池田組)

試合は序盤で10‐4とリードした石島/髙橋組が、その後も石島のモンスターブロック、髙橋のオープンスペースを的確に狙ったショットで流れを渡さず21‐14で第1セットを先取する。続く第2セットも「終始自分たちのリズムで、何ができたか、何ができなかったかが明確に分かっていたので、1点1点取り続けることができました」(髙橋)と、主導権を握ったのは石島/髙橋組。髙橋がライン上に落とすコントロール抜群のショットを見せれば、石島が驚異の3連続モンスターブロックを決め13‐5と引き離すと、結局このセットも21‐15で奪い優勝。石島/髙橋組は今季、第3戦渋谷大会からペアを組み、この第10戦須磨大会まで8大会を戦ってきたが、そのすべてで決勝戦に進出し、優勝6回。石島は「髙橋選手あっての優勝。感謝しています」と振り返ったが、2人のチームケミストリーが歯車のようにかみ合ったからこそ、抜群の戦績を残すことができたのだろう。

最終戦でツアー6勝目を挙げ、マイナビジャパンツアー2023の顔となった石島/髙橋組(右が石島)

一方、敗れた庄司/池田組は、庄司が「僕的には須磨は思い入れがある土地で、たくさんの方に応援に来てもらいましたが、力みすぎた部分がありました」と悔やむ部分もあったものの、相手の石島/髙橋組に対しては「これだけ対戦しているので、相手のことは熟知しています。それでも勝てないのは相手のディフェンスが固く、また連携もいいから」と池田。今季4度目の準優勝は最多記録で、「シルバーコレクターですね」と自嘲気味に言う庄司だが、庄司/池田組はその他にもユニークな記録をマークしている。それは全10戦で負けた相手がすべて優勝しているということ。石島/髙橋組には6度負けていて(第3戦渋谷大会、第4戦横浜赤レンガ倉庫大会、第6戦都城大会、第7戦名古屋大会、第8戦グランフロント大阪大会、第10戦須磨大会)、第1戦立川立飛大会と第5戦青森大会は長谷川徳海/倉坂正人(ともにフリー)組に、第2戦平塚大会は髙橋/上場雄也(松戸レガロ)組に、第9戦松山大会ではBen O’Dea/Thomas Hartles(ともにニュージーランド)組に敗退。それについて「勝ち切れないのは何かが足りないから。そのヒントはブロッカー、レシーバーとして日本一の石島/髙橋組との対戦に隠されていると思います。次のステップに行くにはそれを見つける必要がある」と庄司。そのステップアップのカギを見つけるべく、庄司/池田組のビーチバレー道はまだまだ続く。

     庄司/池田組は栄冠まであと一歩が届かず今季4度目の準優勝(左が庄司)

女子決勝戦は、柴麻美(株式会社帝国データバンク)/丸山紗季(地元法人マーチオークシー)組×野口彩陽(産業能率大学)/坂口由里香(トーヨーメタル株式会社)組というカードに。第6戦都城大会に続く2勝目を狙う柴/丸山組に対し、今回が初ペアとなる野口/坂口組がどんな戦いをするのかが注目だった。

初対決となった柴/丸山組×野口/坂口組の女子決勝戦(右が野口/坂口組)

そして始まった試合、第1セットを奪ったのは野口/坂口組だった。野口/坂口組は午前中に行われた準決勝で松本恋/松本穏組(ともにフリー)にフルセットで競り勝ち勢いに乗っていたが、この決勝戦でも坂口が「お互いのいいところが出たと思います」と言うように、野口のハードヒット、坂口のオープンスペースを突いたショットとそれぞれの持ち味が出て18‐13と抜け出すことに成功。その後も「相手がよくならないように持っていくことができました」(坂口)と、リードを生かして21‐17と先取する。

第1セットを先取したのは、今大会が初ペアとなった野口/坂口組(右が野口)

しかし第2セットでは、「サーブミスやサーブキャッチミスでリズムが作れていないので、それをなくしていこう」(柴)と臨んだ柴/丸山組が流れを引き寄せ、さらに「第1セットを奪われてスイッチが入りました」と言う丸山がディープ、ドロップ、カット、ラインと多彩なアタックで加点し16‐8と大きくリードすると、このセットを21‐9で奪い返す。

そして迎えた最終セット。4‐4までは接戦となったが、相手のアタックミスに助けられたこと、また柴が強烈なスパイクで流れを呼び込んだことで11‐5と差をつけたのは柴/丸山組。対する野口/坂口組は、相手レシーブを大きく弾く野口のパワフルスパイク、長いラリー後の坂口の相手の逆を突いたショットなどで加点するが、冷静にサイドアウトを続けた柴/丸山組が15‐10で振り切って優勝した。

最終戦を優勝で締めくくった柴/丸山組は、「第1戦立川立飛大会では3位といいスタートを切れましたが、その後は勝つことができない時期が続きました。それでも第6戦都城大会で優勝できて、最終戦でも優勝。最終的にチームを作ることができました」(柴)、「チームとして積み上げてきたことが出せた、いいシーズンだったと思います」(丸山)と充実したシーズンを送った模様。国内ツアーはこれで最後となるが、今後はタイ、フィリピンと海外ツアーに挑み、さらにペア力を高めていくという。

今季積み上げてきた成果を発揮し最終戦を優勝で締めくくった柴/丸山組(左が柴)

男子3位決定戦は、西村晃一/Troy Field(ともにWINDS)組×上場雄也(松戸レガロ)/黒川寛輝ディラン(しながわシティビーチバレーボールクラブ)組の対戦となり、西村/Field組が21‐7、21‐19のストレートで勝利。ともにサウスポーから躍動感&鋭さのあるアタックを繰り出す上場/黒川組に対し、Fieldが要所でモンスターブロックを見せたこと、また西村が好ディグから相手のブロックをかわすショットを決めたことでリズムをつかんだ。西村/Field組は今大会を含め今季マイナビジャパンツアー3大会(他は第1戦立川立飛大会、第9戦松山大会)に出場しているが、すべて3位フィニッシュという結果となった。

今シーズン出場したマイナビジャパンツアー3大会すべてで3位となった西村/Field組(右が西村)

女子3位決定戦は、藤井桜子(株式会社立飛ホールディングス)/伊藤桜(産業能率大学)組と松本恋/松本穏組というカードに。マイナビジャパンツアーでは初ペアの藤井/伊藤組に対し、姉妹でペア歴も長い松本恋/松本穏組がコンビネーションのよさ、戦術・戦略の妙で上回り21‐14、21‐14で勝利。松本恋/松本穏組は今季、第2戦平塚大会で準優勝、第3戦渋谷大会でベスト4、第8戦グランフロント大阪大会で4位と上位に食い込む健闘を見せていたが、最終戦でも3位と好成績でマイナビジャパンツアー2023を締めくくった。

今季、各ツアーで好コンビネーションを見せた松本恋/松本穏組が最終戦を3位でフィニッシュ(右が松本恋)

最終戦最終日の本日は、第1戦~第10戦のマイナビポイント(チームポイント)ランキング男女1位チームに賞金100万円が贈られるマイナビワールドチャレンジ賞・年間の表彰も行われ、男子は石島/髙橋組が、女子は坂本実優(株式会社キュービック・スポット)/沢目繭(ミライラボバイオサイエンス株式会社)組が受賞。「円安なのでこうした賞を頂けるのは助かります。海外挑戦でレベルアップしたい」(石島/髙橋組)、「いただいた賞金を使って海外の大会を回って経験を増やしたい」(坂本/沢目組)と、受賞を喜んでいた。

マイナビワールドチャレンジ賞・年間を受賞した石島/髙橋組(左)と坂本/沢目組