女子・坂本/沢目組が第1戦以来の決勝進出!男子は石島/髙橋組が盤石の強さを見せる!!マイナビジャパンツアー第8戦グランフロント大阪大会2日目

女子・坂本/沢目組が第1戦以来の決勝進出!男子は石島/髙橋組が盤石の強さを見せる!!マイナビジャパンツアー第8戦グランフロント大阪大会2日目

第1試合開始9時の時点で18度と少し肌寒い気温となり、観客も上着を羽織りながら試合を見守ったこの日。午後から雨が降る天気予報だったが、少しぱらぱら降る時間帯があったものの、ほぼ影響を受けることなく、男女の準々決勝各2試合、準決勝各2試合の計8試合が行われた。

そんな中、女子で注目の一戦となったのが、柴麻美(株式会社帝国データバンク)/丸山紗季(地元法人マーチオークシー)組×坂本実優(株式会社キュービック・スポット)/沢目繭(ミライラボバイオサイエンス株式会社)組の準決勝。両チームが今季マイナビジャパンツアーで対戦するのは3度目で、第1戦立川立飛大会では坂本/沢目組がストレートで、第6戦都城大会では柴/丸山組がストレートで勝利している。

   今季3度目の対戦となった柴/丸山組×坂本/沢目組の準決勝

今回、主導権を握ったのは、坂本/沢目組だった。柴/丸山組の柴が繰り出すパンチ力のあるスパイク、丸山が打ち分けてくるディープとドロップに対し、しっかりと対応。「相手のペースに流されないよう気を付けました」(沢目)と、粘り強いレシーブでボールを上げ点につなげることに成功する。また、坂本が「コーチから自分のパートナーを見ながらトスすることを厳しく言われていて練習を積んできましたが、それを試合でも出すことができました」と言うように、正確にパスすることで、セットもきれいに上げられるように。それにより、「攻撃が楽になりました」(坂本)とオフェンス力の向上につながった。

そうして、ビーチバレーボールの基本であるパス、トスの精度で相手を上回った坂本/沢目組は、第1セット中盤で17‐11とリードすると、そのまま21‐17で先取。第2セットも15‐7と抜け出し、最終的に21‐13で勝利。沢目の意表を突くツーが効果的に決まっただけでなく、坂本の空いているスペースを的確に狙う冷静なショットも、柴/丸山組を振り切る要素となった。坂本は「どこに打つかは、ジャンプする前に決めていたり、ジャンプした後に『あのスペースが空いているな』と思ったところに打っています」という。

この坂本/沢目組は第1戦立川立飛大会で優勝、第2戦平塚大会で4位、第4戦横浜赤レンガ倉庫大会で3位とマイナビジャパンツアー前半戦は好調だったが、第5戦青森大会は1回戦負け、第6戦都城大会はベスト8と足踏み。第7戦名古屋大会はベスト4とまずまずの戦績だったが、そこからこの第8戦グランフロント大阪大会まで約1か月の時間があったため「この大会に焦点を当てて準備してきました。これまでは試合に入ってもフワフワすることがありましたが、準備してきたことを最初から出すことができました」(坂本)と、第1戦立川立飛大会以来の決勝進出。「コーチがうるさくて厳しいですが、それができたときは自分たちでも『すごい』と思うプレーができます。それが楽しいです」(沢目)というプレーが、明日の決勝戦でも見せることができるのか。相手は、橋本涼加(トヨタ自動車株式会社)/村上礼華(株式会社ダイキアクシス)組だ。

   第1戦立川立飛大会以来の決勝進出を決めた坂本/沢目組(右が沢目)

男子の注目試合は、石島雄介(トヨタ自動車株式会社)/髙橋巧(ANAあきんど株式会社)組×黒川魁/福嶋晃介(ともにNTTコムウェア株式会社)組の準決勝。今季3度目の対戦で、第4戦横浜赤レンガ倉庫大会決勝戦、第7戦名古屋大会1回戦ではどちらも石島/髙橋組がストレートで勝利している。

   石島/髙橋組×黒川/福嶋組は今シーズン3度目の激突(手前が石島/髙橋組)

そして始まった試合。リベンジをしたい黒川/福嶋組は、福嶋の連続モンスターブロック、黒川の強烈スパイクで3-0と好スタートを切る。しかし、石島/髙橋組もすぐに反撃開始。石島のサービスエース、髙橋のナイスレシーブで追いつくと、その後も髙橋の安定感のあるレシーブ、石島の頼りになるネット際での攻防をベースに着実に加点。第1セットを21‐14で先取する。

第2セット、黒川/福嶋組は、福嶋が石島のツーを読んで2度もブロックでシャットするというスーパープレーを見せれば、黒川はブロードに動いて打ち込むという機動力を披露。また、福島のフェイクセットから黒川がハードヒットを決めるという鮮やかな連係プレーも見せたが、「ディフェンスはよかったと思いますが、攻撃の精度が悪かった」と試合後に黒川が振り返ったように、石島のブロックにかかったり、髙橋にレシーブで拾われたりとリズムに乗れないことが多く、結局18-21で敗退。

   今季、負けたのは第5戦青森大会決勝だけの石島/髙橋組。黒川/福嶋組に限らず全選手の壁となっている(左が石島)

またも壁となって立ちはだかった石島/髙橋組に対し、「相手のほうが技術力、ゲームを作る力が1つも2つも上で、こちらは後手に回る展開になってしまいました」と福嶋。どうすれば倒せると思うか、という問いには「自分たちの精度を上げて、相手の分析をするだけの余裕や相手を見る力をつける必要があると思います」との回答。黒川も「相手のほうが全体的な部分で上回っていた」と認めつつ、「勝つためには精度を上げていくしかない」と前を向いていた。

   三度、石島/福嶋組に敗れたもののまだまだ強くなる伸びしろを感じさせた黒川/福嶋組(スパイクを打っているのが黒川)

明日、3日目となる最終日は10時から第1試合がスタート。女子3位決定戦→男子3位決定戦のあとイベントを挟んで、女子決勝戦→男子決勝戦が行われる。