歳の差21歳や高校の同級生。それぞれの物語を持ったペアが登場!マイナビジャパンツアー第6戦都城大会2日目

歳の差21歳や高校の同級生。それぞれの物語を持ったペアが登場!マイナビジャパンツアー第6戦都城大会2日目

朝から気温が徐々に上がり始め、試合開始の9時には汗ばむほどになったマイナビジャパンツアー都城大会 第24回ビーチバレー霧島酒造オープンの2日目。土曜日で、さらに毎年この大会を楽しみにしている地元のビーチバレーボールファンや小学生が観戦に訪れたこともあり、観客席のほとんどが埋まる大盛況に。その声援、そしてハリセンによる応援の後押しを受け、選手たちも熱戦を展開した。

多くの観客が見守る中、熱戦が展開された

この2日目は男女のプール戦各4試合、それに続き男女の準々決勝各4試合が行われたが、男子の準々決勝進出チームの中でPICK UPしたいのが、立谷純太郎(ヴェールタカハシ)/平井学(湘南太郎)組。2人がペアを組むのは今回が初めてで、立谷21歳、平井42歳と親子ほどの年齢差があるが、「普段ちょこちょこ一緒に練習しています」(平井)ということもあり、「高さのあるブロッカーと組んでみたいと思っていました」と年下の立谷から声をかけたという。

今回が初ペアの立谷/平井組。立谷21歳、平井42歳(写真右)とちょうど2倍の歳の差だ

昨日のプール戦1戦目は上田翔貴(株式会社アクティブスタイル)/佐藤亮太(テクノスジャパン)組に22-20、18-21、8-15のフルセットで敗れたが、本日の午前中に行われたプール戦2戦目は、小島利治(遊び空間創造企業クレオ株式会社)/畑辺純希(KLB)に21-16、21-18で勝利。平井が「(立谷は)サーブが強いので、そこで相手を崩すと僕がブロックしやすくなります」と言うように、立谷のジャンプサーブからブレイクに結び付けることで流れを掴んだ。また、立谷が「平井さんのブロックが高いので、相手のショットが浮いてくる。それでボールに触ることができました」と、機動力を生かしたナイスディグを見せたことも勝因となった。

午後に行われた庄司憲右(ハウスコム株式会社)/池田隼平(株式会社カブト)組との準々決勝は15-21、11-21で敗れたが、平井が「躍動感あふれるプレー、そして伸びのあるスパイク。組んでいて『若さっていいな』と思いました」と立谷を評すれば、立谷も「歳を感じさせない動きで、高さと気迫あるプレーが頼りになってカッコよかったです」と平井とペアを組んだことで得るものが多かった模様。この年齢差21歳ペアのプレーをもっともっと見たいものだが、残念ながら今回のみの臨時ペアで、「もしかして来年のこの都城大会で再結成するかもしれません」(平井)とのこと。こうした大会ごとの特別ペアを見ることができるのもマイナビジャパンツアーの醍醐味だ。

都城大会限定ではなく他の大会でも立谷/平井組のプレーを見てみたい

そして女子の準々決勝進出ペアの中で紹介したいのが、坪内紫苑(ANAエアポートサービス株式会社)/藪見真歩(キヌ・コーポレーション株式会社)組。2人は福知山成美高校の同級生で、在学中は3年間ペアを組み、2年生のときに2014年マドンナカップin伊予で優勝している。しかし卒業後は、坪内が松山東雲女子大学、藪見が日本体育大学に進学したこともあり、2人ともビーチバレーを続けていたもののペアを組むことはなかった。それが昨年、坪内から声をかけたことで6年ぶりに再結成。誘われた藪見は「高校時代3年間組んでいたので、身長が低くても(2人とも165cm)自分たちの力を出せば世界でも勝っていけるはず。『楽しくなるんだろうな』と思いました」と言う。

高校卒業以来、昨季6年ぶりにペア再結成となった坪内/藪見組(写真右が坪内)

昨季は、第4戦名古屋大会、そしてファイナルグランフロント大阪大会で4位に入ったが、今季は身上であるつなぎの精度がイマイチで、「特にディグがうまくいっていません。昨季より質が落ちていると2人とも思っています」と藪見。準々決勝で伊藤桜/野口彩陽(ともに産業能率大学)に敗れたのは、「パス、トスが悪かった」(藪見)ためだ。逆にミスが少なければ、プール戦で酒井春海(株式会社甲斐組)/樫原美陽(一つ山ホールディングス株式会社)組に勝利したように勝つことができる。藪見は「2人とも走れるので粘ってつなぐことができます。そのよさを出すために、今後の大会では修正していきたい」と自らに期待していた。

身長がない坪内/藪見組はパス、トスの精度が生命線となる

今日は上記の2つとは別に、準々決勝でさまざまな物語があった。男子では、関寛之(MAGS)/詫間悠(中部土木株式会社)組が第1戦立川立飛大会、第5戦青森大会を制した長谷川徳海/倉坂正人(ともにフリー)にフルセットの末勝利。関/詫間組は長谷川/倉坂組が優勝した2大会で直接対決し敗れていただけに、今回はリベンジしたかたちとなった。

うれしい勝利を挙げた関/詫間組(写真左)

女子では、青森大会に続く優勝を目指していた、日本人ペアとしては世界ランキング最高位(11位)の石井美樹(湘南ベルマーレ)/溝江明香(トヨタ自動車株式会社)組がPhoebe Bell/Caitlin Bettenay(ともにAustralia)組にフルセットの末敗退。その最終セットは本来決着がつくはずの15点となっても勝敗がつかず、マッチポイントを握るBell/Bettenay組、それをしのぐ石井/溝江組という息詰まる展開となったが、Bell/Bettenay組が22-20で振り切って勝利した。

石井/溝江組はBell/Bettenay組に惜敗

また女子では、アクティオ杯ジャパンカレッジで優勝し、アクティオ・ワイルドカードを得て本大会に出場していた伊藤桜/野口彩陽(ともに産業能率大学)組が準々決勝で坪内/藪見組を下し準決勝へ駒を進めた。2人は2021年の沖縄大会で準優勝という好成績を収めているが、明日は悲願の優勝を目指し、まずは準決勝で柴麻美(株式会社帝国データバンク)/丸山紗季(地元法人マーチオークシー)組と対戦する。

悲願の初優勝を目指す伊藤/野口組

本日は、この他、選手による地元小学生へのクリニックが約1時間行われた。毎年行われているため「昨年受けて楽しかったので、今年も楽しみにしていました」という子も多く、約60名の小学生が選手からの指導を受けたり、一緒にゲームを楽しんだ。初めてビーチバレーを体験した子も「ふかふかして動きにくかったけれど、選手が教えてくれたので楽しかった」とクリニックを満喫。将来、この中から都城大会でプレーする選手が出てくるかもしれない。

笑顔の中にも真剣さがあったクリニック

明日は、9時から男女の準決勝各2試合(2面進行)→男女の3位決定戦(2面進行)→男子決勝戦(1面進行)→女子決勝戦(1面進行)というスケジュールで試合が行われる。