マイナビジャパンビーチバレーボールツアー2023開幕記者会見

マイナビジャパンビーチバレーボールツアー2023開幕記者会見

4月28日(金)~30日(日)に行われる第1戦・立川立飛大会でスタートを切る今年のマイナビジャパンビーチバレーボールツアー2023。2019年に株式会社マイナビが冠協賛となり今年で5年目だが、本日、その開幕記者会見が行われた。選手として、男子は古田史郎/黒川寛輝ディラン組、黒川魁/福嶋晃介組、長谷川徳海/倉坂正人組、女子は、長谷川暁子/坂口由里香組、橋本涼加/村上礼華組、衣笠乃愛/菊地真結組が参加し、宮下公園のサンドコートでデモンストレーションを行ったほか、記者発表にも出席。そこで発表されたのが、昨年の7大会から10大会に増えること、全大会予選を行い若手を含む多くの選手にチャンスを与えること、日本から国際大会で活躍する選手をより多く輩出できるようツアー前半と年間のチームランキング1位の男女各1チームに「マイナビワールドチャレンジ賞」100万円が授与されること、といったレギュレーションを含む今年のプランだ。

宮下公園サンドコートでデモンストレーションが行われた

 

中でも特徴的なのが、渋谷区宮下公園(第3戦・渋谷大会/6月3日(土)~4日(日))、横浜赤レンガ倉庫(第4戦・横浜赤レンガ倉庫大会/6月16日(金)~18日(日))と、人が多く集まる場所での大会開催だ。これまでもグランフロント大阪うめきた広場といった駅前で行われてきたが(今年も第8戦・グランフロント大阪大会が10月13日(金)~15日(日)の日程で行われる)、「ビーチバレーの世界のトップの大会は、ビーチではなくアクセスのいいところで行う都市型になっています。『ビーチバレー』ではなく『サンドバレー』と言われたりもしますが、日本もそうした世界標準にしていきたい」と川合俊一日本バレーボール協会会長。

「世界標準にしていく」と語った川合俊一会長

 

オリンピックにおいてもロンドン2012のときは観兵式などイギリス王室の主要儀式が行われる「ホース・ガーズ・パレード」が会場で、リオデジャネイロ2016のときは美しいビーチとして世界的に有名な「コパカバーナ・ビーチ」が会場だった。そうした人が集まりやすい場所で行われること、アウトドアでビールを飲みながら陽気に観戦できることなどから、ビーチバレーはオリンピック競技の中で観客動員数が一番多い競技となっている。来るパリ2024オリンピックも、エッフェル塔のふもとに広がる「シャン・ド・マルス公園」で行われることから、「チケットを取るのが最も困難なのがビーチバレーになるだろう」と言われている。

そのほか、記者会見で強調されていたのがSDGsへの取り組みだ。もともと裸足でプレーするビーチバレーではケガのリスクを避けるため砂にガラスの破片や金属が埋もれていないかチェックして取り除いたり、かつては「CO2マイナス6%」というフラッグを掲げ、選手たちが「私はシャワーの時間を1分間短くします」と宣言するなど環境問題への関心が高かった。自身もビーチバレーボール選手でもあった川合俊一日本バレーボール協会会長によると、「地元の人に『平塚でビーチバレーが始まるまではゴミが多かったけれど、ビーチバレーの選手がゴミを拾うようになってからはゴミがなくなっただけでなくゴミを捨てる人がいなくなった』と感謝されことがあります」とのこと。また、ビーチバレー関係者が『不都合な真実』で主演したアメリカ副大統領アル・ゴア氏を日本に招いて講演会を行ってもらったこともあり、ゴア氏から「日本のビーチバレー関係者は意識が高い」と言われたという。

それを発展させて、最近では選手・スタッフによる会場周辺のクリーンナップ活動、選手会と連携した困難を抱える子どもたちへの支援活動や体験会の実施、会場のペットボトルを廃止しウォーターサーバーとマイボトルを使用する「脱ペットボトル」といったことを行っている。また今年、7~8月の夏に行われるのは8月25日(金)~27日の第5戦・青森大会というのもSDGsを考えてのこと。川合庶ビーチバレーボール事業本部長は「砂が熱すぎると水をまいたりしなければなりませんし、暑すぎるとクーラーのために電気を使ったりということがあるので夏を避けました。それでもやるのなら涼しい北でということで、青森大会を行います」と言う。

選手会長の村上めぐみ選手も登壇し、支援活動などへの取り組みを説明した

 

 

いよいよスタートするマイナビジャパンビーチバレーボールツアー2023。クリエイティブディレクターの岡田喜則氏が新ブランディングプランについて説明を行った。テーマは「BEACH GOES ON!」で、これはビーチバレーの明るく元気な部分を表現したもの。さらに大会を盛り上げるべく公式オリジナルソング、公式テーマソング、アンバサダーなども発表された。このうち公式オリジナルソングを作ったのは、安室奈美恵の『Hero』(リオデジャネイロ2016オリンピックのNHK公式テーマソング)の作詞・作曲・プロデュースを手掛けたSUNNY BOY氏。この公式オリジナルソングを使ったビーチバレーのイメージビデオは4月22日(土)~24日(月)に渋谷のスクランブル交差点に設置された大型ビジョンでも流された。そして公式テーマソングはDa-iCEの「スターマイン」、アンバサダーは「ミスマガジン2019」のグランプリを受賞した豊田ルナと、読者特別賞を受賞した山口はのん。

渋谷スクランブル交差点の大型ビジョンでPVが放送された

 

選手もシーズン開幕を楽しみにしているようで、昨年、本格的にインドアからビーチバレーに転向しパリ2024オリンピック出場を目指す古田史郎は「1点1点成長し続け、挑戦し続け、変化を楽しみながらタイトルを取れるよう頑張っていきたい」とコメント。その古田のペアである黒川寛輝ディランは「4月から11月まで長期のシーズンとなるので、ペアとしっかり力を合わせて一つでも多くタイトルを取れるように頑張ります。一つでも多く会場に足を運んでいただければ、必ず楽しめる試合をしますので、応援のほどよろしくお願いいたします」とマイナビジャパンビーチバレーボールツアー2023にかける意欲を見せた。そして、昨シーズン4戦に出場し全大会で優勝した長谷川暁子/坂口由里香組は「今年は10大会行われて、新しく開催される都市もあるので、近くで行われる際にはぜひ応援に来ていただければと思います。選手も最高のプレーを出せるように頑張ります」(長谷川)、「新しいトップスを着て頑張ります。白熱した試合を見届けていただければと思います」と意気込みを語った。

今季はシーズン通して各チームが新しくデザインされたユニフォームを着用