石井/村上組、決勝進出。12年ぶりのゴールドメダルマッチへ。

石井/村上組、決勝進出。
12年ぶりのゴールドメダルマッチへ。

第18回アジア競技大会2018ジャカルタ・パレンバン( インドネシア) のビーチバレーボール競技は8月25日(土)、パレンバンのジャカバリン・スポーツ・シティで男女準々決勝が開催された。

日本は、男子が24日のRound of 16で姿を消したが、女子はベスト4入りをかけて石井美樹/村上めぐみ組、二見梓/長谷川暁子組が臨んだ。日本の真夏日ほどの気温は高くないが、太陽がじりじりと照りつける現地時間の午後15時過ぎから、両チームの試合が同時に始まった。

前の試合でインドネシア男子チームが中国に勝利し、歓喜の余韻が残っていたメインコートでは、二見/長谷川組は地元インドネシアのDhita Juliana/ Putu Dini Jasita Utami組と対戦した。序盤から大声援に包まれ、アウェイの雰囲気にまるで飲まれたかのように、二見/長谷川組は序盤から長いラリーを取り切れない。


インドネシアvs二見/長谷川組

一方、インドネシアは「ブロックワンタッチをとったり、パスが悪かったりした時の助走の開き(準備)などの細かいところを追及していくと課題を残したゲームだった」と振り返った二見のストロングスパイクに対して、ことごとくディグを成功させていく。そこからパスのテンポを速めてカウンター攻撃を仕掛けていったインドネシアが主導権を握り、第1セットを二見/長谷川組は19-21と落とした。

第2セットもインドネシアのスピードサーブが二見/長谷川組を襲い、万全の体勢で攻撃をさせない。序盤は3-7とリードを奪われる二見/長谷川組。しかし、少しずつ二見の高さのあるブロック、強打が息を吹き返すと終盤は得点をタイに持ち込む。両者の意地がぶつかり合い、デュースに突入。二見/長谷川組は相手にマッチポイントを握られたプレッシャーのかかった場面でいかにサイドアウトを切るか否か、が勝負だった。しかし、勝利の女神が微笑んだのは、最後まで粘り強いプレーを発揮したインドネシアだった。


試合後の記者会見での二見/長谷川組

5位タイに終わった二見/長谷川組。今シーズンはイタリアのローマに拠点を置き、ワールドツアーを中心に転戦をしてきた。世界の強豪との試合経験を積み重ねてきた二見/長谷川組だったが、アジアベスト4の壁を打ち破ることができなかった。

試合後、敗因について長谷川は「相手の特徴をとらえて対策を練り、お互い理解して試合に臨んでいるけれど、ラリー中になると抜けてしまって動きが合わなくなることがある。どんな状況でも、2人の頭と体を一致させて使っていくことが大事。言うのは簡単なので自分たちが成長していくためにはそれをいかに行動に移していけるかだと思う」と話した。

一方の二見は、記者会見で声を震わせていた。「2年後は地元でオリンピックが開催される。自国代表で出場すれば、尋常のないプレッシャーがかかる。今大会はアウェイだったけれど、プレッシャーも感じていたのでそれを乗り越えられる選手になっていきたい」と前を向いた。


レシーバーとしても際立つ活躍を見せた石井

隣の第2コートでは、石井/村上組が長年の宿敵であるタイのVarapatsornRadarong/Tanarattha Udomchavee組と対戦していた。第1セット、石井/村上組はなかなかタイを引き離せず、両者、一歩も引かない展開となった。「ディフェンスでとりきれないところが2、3点あって、そうなってしまった」と石井。しかし、今シーズン実践してきた戦術の一つである、本来はレシーバーである村上がブロッカーに切り替わると、流れは石井/村上組へ。

村上のワンタッチブロックから石井がボールをつなぎ、勝負どころで得点を重ねていく。第1セットは石井/村上組が21-18と先取した。第2セットは先手を取った石井/村上組のサーブが、いつもに増して走る。意気消沈したタイを21-7と下し、準決勝に駒を進めた。

4年前の仁川大会で準々決勝で敗れたが、今大会では壁を打ち破った村上は、「4年前は準々決勝で負けてしまったので、ベスト4に入れてうれしい。4年前はまだワールドツアーを転戦していなかったし、今はワールドツアーで勝つことを目標にしている。世界とアジアでの戦い方も違うという経験も身に付いたし、当時とは5倍くらい成長していると思う」と、チームの4年間を振り返った。


12年ぶりに決勝進出を決めた村上/石井組

石井/村上組は26日のカザフスタンとの準決勝でも、Tatyana Mashkova/ Irina Tsimbalova組を2-0(23-21,21-12)とストレートで下した。女子では2006年ドーハ大会以来、12年ぶりの決勝進出を決めた。

27日(月)の16時(日本時間18時~予定)から行われる決勝戦に挑む。「明日の対戦相手はまだわからないけれど、中国だったらまだ一度も勝ったことがないので、思い切って勝負しにいきたい」と、ゴールドメダルマッチに向け気を引き締めた。