上場/白鳥組、西堀/草野組が優勝。「第32回ビーチバレージャパン」

上場/白鳥組、西堀/草野組が優勝。
「第32回ビーチバレージャパン」

都道府県予選を勝ち上がったチームと推薦チームが日本一の座を争う「第32回ビーチバレージャパン」が8月11日(土・祝)、12日(日)、神奈川県藤沢市・湘南鵠沼海岸で開催された。当初は10日(金)から3日間の日程で開催予定だったが、台風13号を通過したため、大会は2日間に短縮。1日目に予選、本戦トーナメント1回戦、2回戦、女子1回戦、最終日に準々決勝、準決勝、決勝を行った。

男子の決勝は、石島雄介(トヨタ自動車)/高橋巧(ANAセールス)組と上場雄也(松戸レガロ)/白鳥勝浩(トヨタ自動車)組の対決となった。

シーズン通しては、5月のジャパンツアー第2戦東京大会以来の顔合わせ。第1セットは上場/白鳥組が8-3とリードを奪うが、1回目のテクニカルタイムアウトまでに石島のブロックやサーブで得点を重ね、10-11と追いつく。
ここから終盤にかけて、両者一歩も引かない攻防戦が繰り広げられる。「バランスよく攻撃することも考えたが、比較的ショットを打った時に石島に触られていたので、あそこは強打を打ち切っていくことを選択した」と上場。ブロックやディグを弾き飛ばすチカラとチカラのぶつかり合いとなった上場vs石島の強打の打ちあいは、30点を過ぎてまでも続く。まさに一進一退という言葉がふさわしい終盤のせめぎ合いは上場/白鳥組がラリーをモノにし、35-33と終止符を打った。


男子決勝の攻防戦

第2セットはサーブが機能し、序盤からビハインドを保った高橋/石島組が、21-19と奪い返す。1-1のタイとなり勝負は第3セットにもつれ込んだが、これまで前衛で守っていたブロッカーの上場、石島は体力を消耗し、ここにきてレシーバーのポジションへ。上場が足を引きずり、石島もジャンプにキレがない。
両者、満身創痍の状態で白鳥、高橋がブロックに跳ぶ中、勝負を制したのは上場/白鳥組。緊迫する場面でも、課題であった「どんな相手でも攻撃時にサイドアウトをきっちり切っていくこと」(上場)を貫き通し、16-14と激戦を制した。白鳥は7年ぶりのジャパン制覇、上場は初優勝に輝いた。

上場/白鳥組は国内大会においては、ジャパンツアー第4戦以来ともに違うペアで公式戦に出場し、個々で活動していた。「チームで行き詰ったところもあったので、個々の能力をそれぞれ伸ばしていこうと思った。その間、お互いにやれることに重視して時間の使い方を考えてきた」と白鳥は言う。

この後、上場/白鳥組はインドネシア・パレンバンで開催されるアジア競技大会に出場。「久しぶりにレベルの高いゲームをして、どこまで戦えるか、を重視していた。勝ったという結果は、アジア競技大会に向けていい弾みになる」と白鳥が収穫を語れば、上場も「アジアの強豪を倒して何としてもメダルを取って帰ってきたい」と力強く語った。

他方、昨年のブラジル合宿以来、シーズンを通してペアを組んできた高橋/石島組。石島は2年目でジャパン初出場、決勝まで進んできたが、最後はベテランの厚い壁が立ちはだかった。
それでも週末のジャパンツアー第7戦若狭おばま大会でまさかのプール戦敗退を喫したことを考えると、「だいぶコンディションも回復してきて、今回は価値ある負けだと思う。ナイスゲームだった」と及第点をつけた。


思いっきりのいいプレーを見せた幅口

女子決勝は、西堀健実(トヨタ自動車)/草野歩(パソナ)組と幅口絵里香(オーイング)/坂口由里香(オーイング)組となった。
第1セットは今シーズン初の決勝進出となった幅口/坂口組が、準決勝までの快進撃を見せつける。坂口がミドルから強烈な強打を仕掛け、西堀/草野組のブロックからのフェイクレシーブを粉砕し主導権を握る。「鵠沼は砂が固いのでミドルからでも強打を打っていける。相手はフェイクが多いのでしっかり振っていこうと思った」と幅口。その作戦が功を奏し、第1セットを21-14と先取した。

第2セットは、「いろいろ工夫してトライしている」という西堀/草野組のサーブが機能。幅口/坂口組は前後左右に揺さぶられ、連続失点が目立ち始める。流れを引き寄せた西堀/草野組が第2セットを21-15と奪い返すと、第3セットもサーブの勢いは止まらない。「アユ(草野)が冷静に分析してくれて、サーブで変化をつけることができた」と西堀。食らいつく幅口/坂口組を退き、15-10と最終セットを制した。
西堀/草野組は、国内大会ではジャパンツアー第5戦行橋大会に続いて2勝目をあげた。


国内2勝を飾った西堀/草野組

敗れはしたが、「今シーズン、いつも勝つか負けるかを繰り返している相手に勝てて決勝まで進んできた」という幅口/坂口組は、上背がないながらも緻密なつなぎ、思い切りのいい強打で会場を大いに沸かせた。

昨季はケガのため、リハビリのシーズンとして励んできた坂口は、自身初の決勝進出。少しずつ調子を上げて、今大会でも本来の力強いプレーを大舞台で披露した。「シーズン当初は勝ちたい気持ちばかりが先走っていたけれど、ここにきて1本1本のプレーにフォーカスして明確にできていることが初の決勝進出につながったと思う」と勝因を語った。

次なる国内大会は、8月16日から大阪府泉南郡岬町・潮騒ビバレーで開催される「第30回全日本女子ビーチバレー選手権」となる。