男子はチリ、女子はドイツが優勝。「FIVBワールドツアー東京大会」

男子はチリ、女子はドイツが優勝。
「FIVBワールドツアー東京大会」

「FIVBワールドツアー東京大会」最終日が7月29日(日)、THE ODAIBA内ビーチバレーボール特設コート(東京都江東区青海臨時駐車場P区画)で開催された。予選を含めて5日間、全5コートで展開された真夏の戦い。男子はチリのMarco Grimalt/Esteban Grimalt組、女子はドイツのTeresa Mersmann /XCinja Tillmann組が優勝した。

同週にモロッコ、トルコ、そして31日からオーストリアで5starの大会が開催されるとあり、その準備もあってか、男女ともに世界のトップクラスが不在だった今大会。そのチャンスをモノにしたのは、チリだった。

チリは、準々決勝で今大会ランキングトップのカタール(16位・7月23日時点)をフルセットで撃破。続く準決勝でもアメリカのCasy Pertterson/Stafford Slick組を下し、決勝進出を決めた。


男子決勝はチリvsセルビア

決勝の相手は、3starで1桁順位をとっているセルビアのBasta Stefan/Lazar Kolaric組だった。高さとパワーのぶつかり合いだけではなく、作戦の読み合いで観客を魅了した決勝戦。第1セット、第2セットともにリオデジャネイロオリンピックにも出場経験のあるチリが主導権握り、2(21–1221-17)0とストレートで勝利した。

従弟同士で2011年からワールドツアーを転戦してきたチリのMarco Grimalt/Esteban Grimalt組は、初めての金メダルを獲得した。
チリ国内では気候の問題もあり、ビーチバレーボールは普及していないという。そんな中、プロチームとして活動するMarco Grimalt/Esteban Grimalt組は、東京オリンピックの舞台をイメージするためにエントリーした。「勝つために心技体、どれが大切かといったらメンタルだと思うが、バランスも重要視している。自分たちのレベルはそう高くないので、どんどん世界を転戦してレベルアップしていきたい」とEsteban Grimaltは意気込みを語った。

女子はドイツのTeresa Mersmann /XCinja Tillmann組 とフィンランドのAnniina Parkkinen/Taru Lahti-Liukkonen組の対戦となった。世界ランキングではフィンランドのほうが格上だが、このゲームはデュースにもつれ込んだ接戦を22-20と制したドイツが支配する。第2セットもミスのない安定したプレーを維持すると21-17とストレートで勝利した。


決勝戦で格上フィンランドを破ったドイツ

ドイツといえば、女子ヨーロッパ勢で初めてリオデジャネイロオリンピックで金メダルを獲得した強豪国。上位には3チームがランクインするほど、東京オリンピックに向けて選手層の厚さを見せつけている。

Teresa Mersmann /XCinja Tillmann組は、「初めてのワールドツアー優勝なのでとてもうれしい。ドイツは強いチームがたくさんいるので、予選で勝てるかわからないけれど、努力してまた東京に戻ってきたい」と笑顔で健闘を誓った。

男子3位には、2011シーズン日本でプレーしていたCasy Perttersonがランクインした。
日本でプレーした後は、瞬く間に世界のトップディガーとして活躍。リオデジャネイロオリンピックにも出場した。
現在38歳となり、2018シーズンから33歳のStafford Slickとペアを組み、ワールドツアーの転戦をスタート。3starのルツェン大会5位、ハイヤン大会9位から今大会は飛躍し堂々の入賞を果たした。ブロッカー・Slick の背後で長いリーチを活かしたスーパーディグを披露し、何度も会場を沸かせた。


日本でプレーしていたPertterson

初めて来日したというSlickは「今大会、東京にきた目的はファンを増やすこと。東京オリンピックで自分たちのことを応援してくれる人が増えれば、自分たちがおリンピックの舞台で有利に戦えると思った」と、2年後を見据えていた。

5日間開催された今大会は、日本で開催する国際大会において初めてナイターゲームが取り入れられた。ナイターを行った平日3日間の来場者数はおよそ500名、5日間でトータルおよそ2500人が来場し、世界のプレーに酔いしれた。来年2019年は、オリンピック会場となる品川区の潮風公園で、ワンランク上の4starの開催が予定されている。