男子日本勢は全滅。女子は二見/長谷川組ら決勝トーナメント2回戦進出。「FIVBワールドツアー東京大会」3日目。

男子日本勢は全滅。女子は二見/長谷川組ら決勝トーナメント2回戦進出。「FIVBワールドツアー東京大会」3日目。

「FIVBワールドツアー東京大会」第3日目が7月27日(金)、THE ODAIBA内ビーチバレーボール特設コート(東京都江東区青海臨時駐車場P区画)で開催された。3日目は男子決勝トーナメント1、2回戦、女子本戦プール戦、決勝トーナメント1回戦が行われ、日本からは男子1チーム、女子7チームが出場した。日本での国際大会、初のナイターゲームとなった今大会。予選が開催された第1日目は500人、本戦チームが出場した2日目は600人と少しずつ観客動員数が増え、真夏の夜空の下で開催されたナイターゲームは観客の熱気に包まれている。

昨日の男子本戦プール戦ルーザーマッチでは、次々に日本勢が敗退。決勝トーナメントに進出したのは、トルコに敗れたものの、2試合目を不戦勝で勝ち上がってきた高橋巧(フリー)/石島雄介(トヨタ自動車)組だった。


決勝トーナメント1回戦で敗退した石島

タイとの一騎打ちとなった第1セット、「昨日はコンディションがよくなく、どうしたらいいかわからなかった」という不調の石島がサーブで狙われながらも、石島/高橋組は10-6とリード。その後もタイの猛攻をしのいだ石島/高橋組は21-18と先取する。

第2セットは、「ブロッカーは跳躍力があって高い」と高橋が評するタイが反撃を開始する。通常はフルスイングから切れ味のよいスパイクを見せる石島は「自分の中で攻撃に至るまでいかず、打ち切れなかった」とショットを多用。受け身になった石島/高橋組の隙をタイは見逃さず、第2セットを16-21と奪取した。

運命の最終セット。不調をぬぐえない石島/高橋組だったが、14-13と先にマッチポイントを握ったのは日本だった。しかし、ここで決まれば、という勝負所の場面で石島のスパイクがラインを割ってしまう。そこからリズムを崩し決定打をかいた石島/高橋組は、14-16と逆転負けを喫した。


アジアのライバル・タイの前に屈した

日本の中でもっとも世界ランキング(79位タイ)が高い石島/高橋組が敗退。決勝トーナメント1回戦で日本勢の灯が消えた。

今シーズン、バンコク大会(1star)で優勝して以降、それ以上の大会でなかなか壁を越えることができずにいた石島/高橋組。1star、2starからポイント獲得率が上がる3starというカテゴリーは、「ランキング上の選手が多く出てくるので、隙がない戦いを強いられる。だから自分たちが崩れないことが大切」(高橋)と認識していた。昨日に比べてディフェンスの成功率は上がったが、ハイヤン大会(3star)5位にランクインしたタイの猛攻に押され、終盤にきて「セットが割れてしまい、パートナーを助けてあげることができなかった」(高橋)と唇を噛んだ。

女子は本選プール戦ウィナーマッチで敗れた石井美樹(湘南ベルマーレ)/村上めぐみ(オーイング)組と、ルーザーマッチで勝利した二見梓(東レエンジニアリング)/長谷川暁子(NTTコムウェア)組、溝江明香(トヨタ自動車)/橋本涼加(トヨタ自動車)組、西堀健実(トヨタ自動車)/草野歩(パソナ)組、鈴木悠佳子(湘南ベルマーレ)/坂口佳穂(マイナビ/KBSC)組、鈴木千代(クロス・ヘッド)/村上礼華(松山東雲女子大学)組、永田唯(スポーツクラブNAS)/熊田美愛(リソースフォレスト)組が決勝トーナメント1回戦へ。ここまで生き残ってきた日本勢だが、決勝トーナメント1回戦は明暗が分かれる結果となった。


決勝トーナメント1回戦に勝利した二見/長谷川組

6試合中4試合がフルセットにもつれ込み、接戦を制したのは石井/村上組、二見/長谷川組、鈴木/村上組、永田/熊田組の4チームだった。中でも最終セット終盤、11-14の崖っぷちに立たされたところから逆転に成功したのは、二見/長谷川組だ。

アジアの強豪の一角・タイとの壮絶なフルセットゲーム。サーブで果敢に攻めてエースを量産した長谷川は、「途中で私がばててしまい足が動かなかったが、最後はサーブで攻めるしかないゲーム展開だった。風も結構吹いていたので、ボールをしっかり叩いていくことに集中した」。8月に開催されるアジア競技大会(インドネシアパレンバン)で対戦するかもしれない相手に劇的な勝利をあげ、自信を得ることができた。


決勝トーナメント1回戦で敗れた溝江/橋本組

一方、決勝トーナメント1回戦で姿を消すことになったのは、鈴木悠佳子(湘南ベルマーレ)/坂口佳穂(マイナビ/KBSC)組、溝江明香(トヨタ自動車)/橋本涼加(トヨタ自動車)組と西堀健実(トヨタ自動車)/草野歩(パソナ)組の3チームだった。溝江/橋本組はノルウェーに第1セットを先取したものの、「イメージどおりに戦えていたが、2セット目以降は相手がサーブのたたき方も変えてきてサーブポイントをとられて流れがか変わってしまった」と溝江。そのまま、巻き返すことができず、1(21 -16,11-21,11-15)2と力尽きた。

28日(土)は朝10時から女子決勝トーナメント2回戦、男女準々決勝が行われる。