新ペアや若手が躍動できるか注目  マイナビジャパンツアー第2戦 大洗大会展望

新ペアや若手が躍動できるか注目
マイナビジャパンツアー第2戦 大洗大会展望

5月に幕が上がった「マイナビジャパンビーチバレーボールツアー2022」(以下、マイナビジャパンツアー)の第2戦 大洗大会が72931日、大洗サンビーチ(茨城県東茨城郡大洗町)で行われる。大洗での開催は2018年以来4年ぶりとなる。

 

大洗大会は男女各16チームがまず4チーム×4プールに分かれて、トーナメント戦を戦う。ABが対戦しAが勝利、CDが対戦しCが勝利した場合、勝ち上がったACが対戦しプール1位、2位を決定。敗者となったCDが対戦し、34位を決定する。決勝トーナメントへは各プール1位から3位までが進出し、その後12チームによるシングルトーナメントを戦う。

ビーチに転向した古田史郎やフレッシュな高校生ペア

 

大会を盛り上げる注目チームを紹介していく。まず男子は、第1戦 立川立飛大会で優勝を飾り、第19回杭州(中国)アジア競技大会日本代表チームにも内定した庄司憲右(ハウスコム)/池田隼平(カブト)組。残念ながらアジア競技大会は、新型コロナウイルスの影響により2023年に延期となってしまったが、第1戦 立川立飛大会で見せた攻めるプレーが期待される。ツアー常連組といえる2人だが、これまでと一味違う、力強い戦いぶりに注目だ。

 

第1戦 立川立飛大会を制した庄司/池田組

 

もう一組は髙橋巧(ANAあきんど)/古田史郎(DOTs)組だ。髙橋はペアのマルキ・ナシム(トヨタ自動車)が立川立飛大会で肩を脱臼し、現在リハビリ中ということもあり、古田と出場。古田は法政大学時代にインドアの日本代表に選出され、Vリーグの東レアローズ、ジェイテクトSTINGS、ヴォレアス北海道を経て、昨年ビーチバレーボールへの転向を表明。ツアー初参戦となる今大会で、高いレシーブ力を持った試合巧者の髙橋とともに、どのような試合を見せられるか。

 

また、立川立飛大会準優勝の長谷川徳海(フリー)/倉坂正人(フリー)組、3位の石島雄介(トヨタ自動車)/黒川寛輝ディラン(しながわシティビーチバレーボールクラブ)組などのツアーの顔ともいえる選手たちも、優勝争いに絡んでくることは必至。また上田翔貴(駒澤大学)、石川瀬那(国際基督教大学)らをはじめとする、実力を備えた若き大学生プレーヤーも多く出場しており、常連組も安穏としていられない。

 

そして、ワイルドカードでエントリーした長瀬公亮(勝田工業高校)/八幡暖音(勝田工業高校)組にも期待したい。勝田工業高校は、高校生のビーチバレーボール日本一を決める大会、全日本ビーチバレージュニア男子選手権大会で優勝チームを輩出している強豪校の一つ。長瀬/八幡ペアは今年のジュニア選手権、国体ビーチの茨城県代表にも内定している。高校生がツアーに出場すること自体とても珍しいうえに、トップ選手が集う国内最高峰の舞台で勝利することはたやすいことではないが、高校生らしいフレッシュな戦いで地元を熱くさせるだろう。

 

/西堀、丸山/辻村らの新ペアのツアー初陣

 

続いては女子の注目チームを紹介する。立川立飛大会で優勝を果たした長谷川暁子(NTTコムウェア)/坂口由里香(大樹グループ)組は今大会も活躍が期待される。坂口の高い技術に裏打ちされた安定感と、長谷川のジャンプ力を活かしたブロックやスパイクを武器に、結成2年目のシーズンも順調な滑り出しを見せた。堅い守りを土台に、5試合中4試合はストレートで勝利しており、今大会も安定した試合運びに注目が集まる。

 

今シーズン新ペアを結成した柴 麻美(帝国データバンク)/西堀健実(トヨタ自動車)組は、今季すでに海外ツアー6大会を戦っているが、国内ツアーでは初のお披露目となる。ミスが少なく、正確で高い技術が持ち味の柴と、高い精度で放たれるスパイクや、ベテランらしい落ち着いた試合運びを武器とする西堀のプレーは必見。また、柴はこれまで同年代の石坪とチームを組んでいたが、ベテラン西堀と組むことにより、新しいプレースタイルが引き出されることにも期待したい。

 

新ペアで柴がどのようなプレーを見せるのか

 

丸山紗季(地元法人マーチオークシー)/辻村りこ(ANAエアポートサービス)組も新しいチームだ。昨年VリーグのKUROBEアクアフェアリーズを退団した丸山が今年ビーチバレーボールに転向し、日本体育大学の後輩にあたる辻村とぺアを組みツアー初参戦。インドア時代はキャプテンを務め、攻守ともに中心選手としてチームを引っ張ったオールラウンダーぶりが、砂上でどのように発揮されるのか。またパワフルな攻撃が武器の辻村とともに、どのようなプレーを繰り広げるか注目だ。

 

そのほかにも立川立飛大会準優勝の橋本涼加(トヨタ自動車)/村上礼華(ダイキアクシス)組、海外ツアーにも出場し、着実に経験を重ねる松本 恋(フリー)/松本 穏(フリー)組、伊藤 桜(産業能率大学)/野口彩陽(産業能率大学)の若手選手たちも虎視眈々と上位を狙っており、大会を盛り上げてくれるだろう。

 

ここ数年は新型コロナウイルスの影響により、無観客開催、出場選手数も最小限に留めての開催となっていたが、今季のマイナビジャパンツアーは出場チーム数を増やしており、常連組だけでなく、ベテラン、中堅、若手と、さまざまな選手たちがコート上で火花を散らしている。また賞金額も増えて、選手のモチベーションアップにも一役買っており、激しい戦いを後押ししている。選手たちも観客の応援によって、よりよいプレーができると口を揃える。有観客開催の今大会は、新型コロナウイルスの感染予防対策を徹底しながら、ぜひ会場で熱戦をその目に焼き付けるとともに、選手たちの背中を押してもらいたい。