これまでにない将来性と爆発力。日本代表、世界大学選手権に向けて直前合宿を開催。

これまでにない将来性と爆発力。
日本代表、世界大学選手権に向けて直前合宿を開催。

ドイツ・ミュンヘンで開催される「FISU世界大学ビーチバレーボール選手権」(国際大学スポーツ連盟主催)に出場するビーチバレーボール日本代表が7月3日(火)から5日(木)、神奈川県川崎市の川崎マリエンビーチバレーボールコートで直前合宿を行った。9日(火)から始まる本大会に向け、選手たちに意気込みを聞いた。

「FISU世界大学ビーチバレーボール選手権」は大学在籍者または大学卒業後2年以内で28歳以下の選手が出場可能で、2年に一度、偶数年に開かれる国際大会。ビーチバレーボール競技は、大学スポーツの祭典と言われる「ユニバーシアード」の正式競技ではない(2011年、2013年大会は開催)。そのため、日本は大学世代強化の一環として、2002年大会から始まった「FISU世界大学ビーチバレーボール選手権」に参加してきた。

これまでの最高成績は、2004年の青木晋平/瀬田久史組、2008年の草野歩/尾崎睦組の5位。それ以降、なかなか結果を残せずにいた日本は、2018年ドイツ・ベルリン大会に向けて今年2月に、体力測定、ゲームを主とした選考会を開催した。女子は坂口佳穂(マイナビ/KBSC)と村上礼華(松山東雲女子大学4年)が選出され、第1チームとしてペアを組むことになった。また元々リザーブとして登録されていた昨年大学選手権で優勝した石坪聖野(アットホーム)/柴麻美(帝国データバンク)組が、出場チーム数の関係で日本の第2チームとして出場することになった。

男子は、柴田大助(丸紅建材リース)、原田真緒(国士舘大4年)、黒川寛輝ディラン(国士舘大2年)、北川綾哉(九州共立大3年)の4名が選出され、柴田/原田組、黒川/北川組がペアを組み、出場することになった。

男女チームの総監督を務める牛尾正和氏は、今回の出場メンバーを見て、「男女ともに将来性のあるメンバーがそろった。とくに男子は大学のインドア界で活躍している選手が参加するとあって、これまでにない高さを持ち、攻撃力が高いチームができた。爆発力に期待したい」と語る。


女子第1チームの坂口/村上組

女子の第1チームは、国内でも頭角を現し始めたオールラウンダーである坂口と村上がペアを組み、表彰台を狙う。「同年代の中だったら組んでみたい選手の1人だった。だからとても楽しみ」という村上。坂口も「私よりも経験があるので心強い。短い期間しか練習していないので、ワンプレーごとに話してコミュニケーションを大事にすることがチームのテーマ」にしていると言う。


女子第2チームの石坪/柴組

第2チームの石坪/柴組は、上背はないが、テクニックが武器。「自分たちが成長するためのチャレンジ」という目標を掲げ、今シーズンワールドツアーを転戦し、「FIVBワールドツアートルコマナヴガット(1スター)大会」で表彰台のてっぺんに上がった。「海外のチームは体格がよくて、日本で試合する時とはまた違ったスタイルで戦うことになる。どう戦おうか考えるのが、すごく面白かった。世界大学選手権でも高さのあるチームに対して、自分たちのスタイルを貫き通して楽しんできたい」と、口をそろえて抱負を語った。


男子第1チームの柴田/原田組

男子の第1チームは、ジュニア時代から国際大会の経験があるレシーバー・原田が、昨シーズンから頭角を現し始めた若手ブロッカー・柴田とタッグを組む。世代別の代表として4回目の国際大会出場となる原田は、「2年前は1回も勝てなかった。柴田さんはとてもポテンシャルが高いので、やりやすい。今回はひとつでも多く勝利を持って帰りたい」と意気込みを見せた。


男子第2チームの黒川/北川組

男子の第2チームは、インドアと平行にビーチに取り組んでいる黒川/北川組。ビーチのU21国際大会に出場したが、そこでは何もできずに終わってしまった。あれから2年。黒川は国士舘大、北川は九州共立大に進学しインドアのエースへ成長、その傍らビーチの練習にも精を出している。「2年前はパスが雑だったけど、今はどうすればいいか理屈はわかってきた。今回こそは勝ちたい」と北川。黒川も、「このペアはビーチ経験が浅いので、あまり結果は期待されていないかもしれないけれど、僕たちの武器であるスパイクとブロックを出し切って、周囲の予想を覆したい」と、力強く語った。

9日(火)からドイツ・ミュンヘンで開催される「FISU世界大学ビーチバレーボール選手権」に注目したい。