石島/高橋組、初優勝。 第4戦 ジャパンツアー南あわじ 神戸淡路鳴門自動車道全通20周年記念大会

石島/高橋組、初優勝。
第4戦 ジャパンツアー南あわじ 神戸淡路鳴門自動車道全通20周年記念大会

国内最高峰ツアーの4戦目となる「ジャパンビーチバレーボールツアー2018 第4戦 南あわじ・神戸淡路鳴門自動車道全通20周年記念大会」最終日が7月1日(日)、兵庫県南あわじ市慶野松原海岸で開催された。朝から快晴に恵まれたが、南方から強い風、時々突風が吹きつける中で、男女準決勝各2試合が行われた。

女子決勝進出を果たしたのは、今シーズン波に乗っていた坂本実優(医療法人社団明朋会増田外科) /沢目繭(新興和製薬株式会社/湘南ベルマーレサテライト)組をストレート2-0(22-20,21-19)で下した藤井桜子(市進ホールディングス)/宮川紗麻亜(フリー)組。もう1チームは、鈴木千代(クロスヘッド)/村上礼華(松山東雲女子大学)組とのワールドツアーネオグループシンガポール大会の決勝の再現を制した西堀健実(トヨタ自動車)/草野歩(パソナ)組だ。

第1セットは、宮川/藤井組がシード上の西堀/草野組に対し、主導権を握る強さを見せつけた。「自分たちは大会ごとにペアを変えているので、相手もデータがなかったのだと思う。そこを武器にできた」と藤井。西堀/草野組の後ろへシフトしたディフェンスの穴をかいくぐり、第1セットを21-16と先取した。
第2セットは、少しずつリズムを取り戻した西堀/草野組が、本来のボールコントロールを発揮し安定した攻撃を見せると、21-17と奪取した。

 

女子決勝戦

1-1のタイとなったこの試合。最終セットは、西堀の連続ブロックや宮川の強烈なスパイクが飛び出し、最後の最後までどちらが勝つかわからない展開に。そんな中、抜け出したのは「意地でも負けたくなかった」と言う宮川/藤井組。西堀/草野組に走り負けない粘り強いディグを連発し、最後まで攻めの姿勢を貫いた。ビーチ転向後、ジャパンツアーで初めての優勝の二文字を手にした宮川と、記念すべき第1回の南あわじ大会で優勝を飾った藤井の笑顔がコートに広がった。

 

2014年南あわじ大会以来の優勝となった藤井

2014年以来のジャパンツアー優勝に輝いた藤井は、今シーズンからアトランタオリンピック(1996年)バレーボール代表の鳥居(現大川)千穂のコーチングを受けているという。「コーチはここぞという時に勝利を引き寄せる勝負師。今回、風が吹いていたのも幸運で、今の自分たちの力を最大限に発揮することができた」と藤井。
一方の宮川も、「鳥居さんのコーチングを受けるようになって、自分に足りないところ、できていないところがより見えてきた。ゲーム中も頭で描けるようになってきて今日は反応することができたと思う」と、勝因を語った。

 

ジャパンツアー初優勝となった宮川

男子において、決勝進出を決めたのは、シード1の石島雄介(トヨタ自動車)/高橋巧(了德寺大)組。もう1チームは、上場雄也(松戸レガロ)/ 白鳥勝浩(トヨタ自動車)組にフルセットの末勝利した村上斉(株式会社ADI.G) /倉坂正人(三菱オートリース株式会社)組だった。

第1セット序盤は、3大会連続で決勝進出を決めた石島/高橋組が、強風の中でも風を切り裂くようなインパクトの強い攻撃を展開する。しかし、今シーズン初の決勝進出を果たした村上/倉坂組も、黙ってはいない。石島のブロックを回避し、コースを切っていく。両者一歩も引かない展開となった接戦を23-21と村上/倉坂組が第1セットを制した。後がない石島/高橋組は、第2セット序盤からエンジン全開。村上/倉坂組につけ入る隙を与えず、21-15と制した。

 

今シーズン初優勝に輝いた石島/高橋組

またしても、決勝戦でフルセットゲームにもつれこんだ石島/高橋組。「過去2戦(東京、平塚)は、途中で集中力が切れてしまった。その失敗を今大会は繰り返したくなかった」と石島が言えば、高橋も「ここまでペアを組んできたゴッツさん(石島の愛称)が切れてしまう瞬間を感じられるようになった。今回は、そこでしっかり声をかけてコミュニケーションを図れたことがよかった」。

最終セット終盤、ネット際は石島の独壇場となった。石島/高橋組は、9-6から石島のブロックポイントを含めて6連続得点。東京、平塚の決勝とは打って変わり、最後まで集中力と体力を持続させた石島/高橋組、15-7と勝利し、ペア結成後、初優勝を飾った。

一方、平塚大会に続いて今大会がペア結成後、2回目のジャパンツアー出場となった村上/倉坂組。倉坂はビーチ転向後、自身初のベスト4入り、決勝を果たした。

デビュー年となった2016シーズンは、JBVサテライト(ジャパンツアーの下部大会)で優勝するなど存在感を発揮したが、2017シーズン初めにケガを負い、1年間リハビリに励んでいた。復帰した今シーズン。前回大会から村上とペアを組み、今大会は西村晃一(WINDS)/越川優(横浜メディカルグループ)組、上場/白鳥組ら格上チームに金星をあげた。

「サテライトとは見える景色が違うし、これまでやってきたことをやっていては通用しないと感じた。今大会は1日目の疲労が溜まってしまい、そのため最終日は無駄な力が抜けて、自分が思った以上にいいプレーができた」と、収穫を語った。

 

ビーチ転向後、初の決勝戦を経験した倉坂

今シーズン中盤戦を迎え、4戦目となったジャパンツアー。今大会でも表彰台の顔ぶれが、変わった。次なる戦いでは、どのチームが輝きを見せるのか。7月15日(土)、16日(日)、福岡県行橋市長井浜海水浴場にて、「ジャパンツアー第5戦行橋大会」が開催される。