東京2020オリンピック女子予選ラウンドプールF展望 石井/村上組の対戦相手は

東京2020オリンピック女子予選ラウンドプールF展望 石井/村上組の対戦相手は

「東京2020オリンピック競技大会」が7月24日(土)、東京都品川区の潮風公園で幕を開ける。開催国代表として出場する女子の石井美樹/村上めぐみ組は、同日朝9時からのオープニングゲームに登場。ここでは2回にわたり、7月24日(土)~31日(土)に開催される男女予選ラウンドの展望を綴っていく。

オリンピックのビーチバレーボール競技と、通常のワールドツアーや世界選手権との最大の違いは、メインコート1面のみで試合が消化されていくということだ。そのため、各チームとも連戦はなく、最低1日から数日間隔を空けた状態で試合に挑むことになる。その分、十分な休息をとりつつ準備にすることができる。過去のオリンピックでベテランプレーヤーが結果を残していることも、それが一因と言えるかもしれない。

さて女子で石井/村上組と対戦するプールFの3チームはすべてがヨーロッパ勢となった。2016年リオデジャネイロオリンピックでドイツがヨーロッパ勢として初のメダルを獲得して以降、ヨーロッパのビーチバレーボールは格段にレベルアップしてきた。長い手足を操り、手堅い戦いを展開してくる印象のヨーロッパ勢から、「忍者バレー」をモットーとする石井/村上組がどう勝機を見出すのか、注目される。予選ラウンドは各組上位2チームと、3位6チームから勝ち上がった4チームが決勝トーナメントへ進む。

 

石井/村上組は「忍者バレー」を展開することができるか

初戦の相手は、チェコのHermannova/Slukova 組。リオデジャネイロオリンピックにも出場経験があり(結果17位タイ)、今大会はオリンピックランキング13位で出場枠を獲得した。精度の高いシンプルな戦術を展開し、持ち前のパワーを活かしたスパイクが特長で、その力業を封じ込めるには、石井/村上組の最大の武器であるスピードサーブが鍵となるだろう。

特に今シーズンは、サーブミスが少なくなってコースの幅も広がった。これによりサーブ効果率は上がり、ブレイクの機会も増えている。チェコの攻撃力を低下させて初戦に勝利し、波に乗りたいところ。

 

リオデジャネイロオリンピックにも出場しているHermannova/Slukova 組(写真:FIVB)

 

2戦目の相手は、リオデジャネイロオリンピックで金メダルを獲得したLudwigとオリンピック初出場のKozuchのドイツペア。スマートなビーチバレーボールを展開してくるヨーロッパ勢の中では珍しく、トリッキーなプレーで観客を沸かす人気チームだ。その頭脳となっているのはLudwig。35歳となり、ますますプレーに熟練味が増している。石井/村上組が前回大会の女王にどう挑むのか、必見だ。

ワールドツアーファイナル2019で優勝しているLudwig/Kozuch 組(写真:FIVB)

第3戦の相手はスイスのBetschart/Hüberli 組。オリンピックランキングでは7位、5月のワールドツアー4スターソチ大会では準優勝した格上のチームである。しかし、2人ともオリンピック出場は初めてであり、2年前に東京で開催されたテストイベントは不出場で、潮風公園でプレーするのも初体験。隙がないわけではない。

 

5月に行われた4スター大会で準優勝しているBetschart/Hüberli 組(写真:FIVB)

プールFでの対戦相手は、ワールドツアー4スター大会でコンスタントに1桁順位をたたき出しているチームばかりだが、石井/村上組は地の利を生かすことで混戦に持ち込み、相手の状況を見極めながら、勝利をもぎ取れるか。ペア結成7シーズン目。潮風公園の大舞台でその集大成を迎える。